良いドラマーになるためのブログ

【プロドラマー・ドラム講師たいこもちのブログ ドラムネタは意外と少ないかも】

一日先生やってきました

現在俺は横浜にある 横浜ミュージックスクールという音楽専門学校で臨時講師として助っ人ドラム講師をやっており、専属のドラム講師の方がどうしてもスケジュール的に出勤できないときなどにお声がかかり生徒達にレッスンを行ってる。


さて23日の日曜日もまた声をかけてもらったので一日だけの先生をやってきたのだが、今回はいつものスクールでの授業ではなく神奈川県下の某高校にお邪魔しての出張レッスンという珍しい形態での授業であった。


なおこのレッスンは先生方主導のれっきとした学校主催イベントであるため正式には「技術講習会」なる固い名前が付いていたりする。しかもちゃんと開会式とか閉会式とか終わった後の講師達による反省会(笑)などもきっちりとあったりするのでやはり先生って真面目だな〜なんて妙に感心してしまった。


受講生達は会場となる高校およびその周辺のいくつかの高校の軽音楽部に所属する生徒達であり、我々講師陣は悩める彼らにレッスンを受けてもらってレベルアップを図ることがこの技術講習会の主な目的である。


それにしても通常学校では騒音を撒き散らすお荷物クラブとしてやや敬遠され気味の軽音楽部の生徒達のために先生方が外部から講師まで招いてレッスンを受けさせてしまうというのはかなり粋な計らいだと思う。


講師は我々以外にも高校の部活のOBや部活の顧問の音楽好きの先生が努めるのだが、彼らにしたって無給で日曜日をつぶしてまで後輩達に音楽の楽しさを伝えたいと思ってやっているわけでその精神には本当に頭が下がる。自分が高校生の時にこんなレッスンがあったらさぞうれしかったに違いない。


そんなこんなで現役高校生にいろいろとドラムに関して教えてきたのだが、なんだか教えているこちらが感謝したくなるくらい本当にみんな良い子達だった。ドラムのレベルはけっして高くはないが一人一人なんとかして少しでも上手くなりたいという気持ちがストレートに伝わってくる。こちらのアドバイスにも素直にしたがいエクササイズにも真面目に取り組んでくれる。


ともすれば真面目な態度とか一生懸命に何かをやるということを「かっこ悪いこと」として敬遠しがちな年頃の子供達が目の前で一心不乱にドラムの練習台を叩く姿を見るのは、ちょっと大げさかも知れないが「まだまだこういう子達がいれば日本も捨てたもんじゃないな」と思わせてくれるくらい自分が勇気づけられる出来事だった。


午前と午後にそれぞれ2時間強のレッスンを行い技術講習会は無事終了。もちろん一日レッスンを受けたくらいで楽器の演奏が激的に変わる事はまずない。けれど変わるきっかけくらいにはなって欲しいと願っている。


閉会式が終わって通路で待っているときに俺のレッスンを受けた生徒達が感謝の声をかけてくれたり握手を求めてくれたりした。ありがとうと言いたくても照れくさくてなかなか言えない年頃だと思うけれど素直に言葉や態度で伝えてくれたのは本当にうれしかった。


次に彼らと会った時「上達したな」と感じられたらそれは本当に講師冥利に尽きると思う。こういったレッスンの機会がもしまたあったなら是非参加したいと強く感じた一日であった。