良いドラマーになるためのブログ

【プロドラマー・ドラム講師たいこもちのブログ ドラムネタは意外と少ないかも】

ジレンマ

先日久しぶりにドラムレッスンを行いました。


レッスンはとても楽しいです。


教え子がさっきまで出来なかったフレーズやパターンが出来るようになるのを目の前で見られるなんて先生冥利に尽きますよね。


ただ、教えていてジレンマを感じる事があります。


それは教える側と教わる側の意識というか気持ちのズレです。


例えばドラムの初心者さんがテンポ160くらいの8ビートの曲をマスターして叩けるようになりたい場合。


その人はとにかく最短距離でゴールに到達できる方法を求めます。余計なことはいいから、必要な事だけを教えてくれ、と。


ですが教える側としてはそういう気持ちは重々分かるのですが、その曲を叩けるようになるにはそもそも右手のアップダウン奏法をマスターしていないと叩けないため、そのアップダウン奏法の習得に時間を割かなければなりません。


でもアップダウンを習得しようとすると今度はグリップもチェックしないといけません。また肘の使い方や手首の使い方やリバウンドの拾い方なども教えることになります。


で、結局トレーニングパッドでフォームを一からやる、みたいな流れになってしまう・・・


以前某有名スクールで最初の半年くらいはずっとフォーム練習をやると聞きました。私はなぜそうするのかも分かりますし、結局それが上達への最短距離だということが分かるのですが、それを初心者の人にどう理解してもらうか・・・


いつもそこで悩みます。


プロを目指すような人なら修行と割り切って取り組んでくれるかも知れませんが、趣味で楽しみのためにドラムを叩く人に「半年間シングルストロークのフォーム練習」だけやらすのも酷だと感じます。


その辺りは専門学校で教えていたときも感じていて、なんとか基礎トレーニングと曲練習を上手く組み合わせてドラムを叩く楽しさを損なわないようにしつつ、基礎力もアップするようなメニューを組んでいました。


けれどそれでもなかなかこちらの狙いを理解してもらえなくて結局そのカリキュラムをマスターするのはいつも一部の生徒だけでしたけれど。


TVのCMじゃないですが、教え子の「やる気のスイッチ」を見つけるスキルがもっと欲しいな〜といつも思っています。


生徒自身が積極的に練習に取り組み、先生はその進捗をチェックするだけで良い・・・


というのが理想的ですね。