意外に知らない人が多かった
【再生可能エネルギーの全量買取制度】
これ、意外にも知らない人が結構いるんだね。
太陽光や風力など、いわゆる再生可能エネルギーによる発電は最初はなかなか採算が合わない。そこで再生可能エネルギーによる発電で生み出した電力を電力会社が一定のクソ高い価格で買い取り普及を促す仕組み。
ただし事業者に有利な当初の買い取り価格を保証するのは、来年3月までに認定を受け、電力会社に申請を終えた事業者だけ。
だからみんな今急いで認定を受けようと頑張っているんだね。
そういう意味ではいち早くメガソーラー構想を打ち出したソフトバンクの孫さんは動きが早いよね。
再生可能エネルギーの代表格といえばやっぱり太陽光。
全量買取制度における太陽光発電の電力の買い取り料金は
1kwhあたり42円(20年)です。
へ〜、そうなんだ。
これだけ書かれてもそんな感想しか出て来ませんよね。
では太陽光発電のお手本とも言われるドイツはどうでしょう。
1kwhあたり
約14円!!(2012年4月現在)
えっ?
そんなに安いの?
もちろんドイツだってこの制度を始めた当初はもっと買取り料金が高かったんですけど、太陽光パネルの価格の下落などを受けて、買取り料金の段階的見直しをしてきた結果、今の価格に落ち着いています。
この買取り制度はあくまで普及のためであって発電業者を儲けさせるためのものではありません。だから発電コストが下がれば買取り料金もそれに合わせて見直しが入るのが当たり前なのです。
安く発電できるのに高い買取り料金をキープしていたら発電業者がウハウハになっちゃいますから。
※ちなみにスペインは太陽光頑張ってきたんですけど、経済事情もありまして買取制度が2年で破綻しました(笑)。
で、今一度。
日本では
42円!!
しかも20年間!!
ですよ。
当然この料金は
消費者負担です。
(ドイツだと一月あたり約1000円〜1200円を消費者が負担しています。日本はどうなるかね)
発電した電気は20年間もの間、全量必ず買い取ってもらえる上、その間に発電コストがどんどん下がっても買取価格は国がお墨付きをくれた超高値がキープされるわけですから、こんなにおいしい商売はありません。
再生エネルギー発電の業者は電気を作れば作るほど儲かるので発電量を増やす。そして発電量が増えれば増えるほど消費者の負担が増え、お財布がさみしくなって行くという素敵なシステムとなっています(笑)。
孫さんは42円20年間を勝ち取るために議員さんにかなりプレッシャーをかけてきました。それを悪いとは言いません。有能なビジネスマンだと思います。
ですが、これで利権ってのはどこにも存在するんだということが分かると思います。原発だけじゃないんです。
とどのつまり新しい発電方法が普及するというのはきれいごとだけでは難しいんですよ。企業も慈善事業じゃないんで、儲からないと分かっていたら誰も手を出しません。儲かる仕組みがあるからこそ参入してくるわけで。
再生可能エネルギーとか太陽光発電とかいうとなんとなくクリーンなイメージがありますが、裏では大人達のドロドロとした駆け引きが行われていて、一円でも多く自分たちの陣営に引っ張ってやろうというどす黒い思惑がぶつかり合っているわけです。
でもそれは資本主義社会においてはしごく当然のこと。原発が目の敵にされるけど、原発以外でもお金をめぐって激しく厳しいやり取りがあるってことが当り前ですよ、ということは分かっていただきたいな、と。
ところで...
よく、お金を忌み嫌う発言をする人がいるけれど、それは本心から言っているのだろうかと思う事がしばしばあります。なんとなく自分以外の誰かが儲けるのがけしからんと言っているように思えてしまって。
好むと好まざるとに関わらずこの資本主義社会ではお金で世の中回っているんで、そこを否定していては始まらないんですよね。
だから原発に反対する人達が反対する事にエネルギーを使うくらいだったら、そのパワーやお金を原発以外の発電支援に使うとかできないもんかね、と思ったりします。
代案なしでワーワー叫んでいるヒマがあったら建設的な提案の一つでもした方がよほどデモなどに積極的に参加はしない一般の庶民の支持を得られると思うんだけど。
ちなみに個人的には核融合とか、期待しちゃうんだけどな〜。それこそこういう研究に一兆円とかつぎこんだら、なんかこうブレイクスルーが起きたりしないもんなのかな。