乙武さんの件
車いすの人は事前に
お店にそのことを伝えるべき
という意見がちらほら見られた。
これが正論なのかな。
だとしたら
車いすの人がいちいちそんなことを前もって告げなくても当たり前にお店で食事を楽しめる
そんな社会になってくれたらといいと思う、俺は。
別に全ての飲食店がバリアフリー構造であるべきとか、政府が主導して「飲食店は全て障害者を受け入れる体制であるべし」ってルールで縛るべきと言っているわけじゃない。
ちょっとした周囲の人の気遣いで(別にルールがあるからとか、体制が整っているからとかいうことに関係なく)臨機応変に対応できないもんかな、と思う。
もちろんどうしても無理な時はあるのだから、そういう時は両者大人の対応をして後に引きずらないことも大切。
今回の件がここまで大事になったのは乙武さんが公にしたからだが、そもそもの事の発端はお店側の対応のまずさだと言わざるを得ない。
別に相手が障害者だからなんでもかんでも下手に出て言うことを聞けとは言わないが、入店を断るにも断り方があるだろう、と思う。
お店側の言葉の持って行き方一つで入店をわだかまりなく断ることは出来たし、日を改めて来店してもらうことも出来た。乙武さんがあそこまで攻撃的な文を書くこともなかった。
乙武さんのツイートを読んだことがある人ならわかることだが、彼は少々の障害者差別など軽く笑い飛ばしてしまうメンタルを持った人でツイートはいつもウィットに富んでいて楽しい文が多い。
その彼がお店の名前を晒し、あそこまでキツい内容を書いたということはそれほど心に痛みを感じたということだと思う。しかも今回は友人絡みということもあってなおさら怒りに火が点いたのかも知れない。わがままを聞き入れらなかった末の逆切れなどでは決してない。
詳細は以下を参照のこと。
「イタリアン入店拒否について」
今回の件に関してどっちもどっちみたいなまとめ方をしている人もいるけれど
俺はお店側を擁護する気持ちにはあまりなれない。
お店の事情や建物の構造が車いすの受け入れに適していないなど同情すべき点もあったかも知れないが、店主の言葉の端々に「差別意識」や「面倒くささ」みたいなものを正直感じてしまう。
そうでなければ「これがうちのスタイルなんで」などという捨て台詞は出てこない気がする。
これから高齢化社会になって車いすの人は増えるだろう。自分がいつ車いす生活になるかもわからない。
今回の件を「一人の障害者と店主のいざこざ」と片付けることは自分には出来なかった。
なのでこんな長々と文を書いてしまいました。
失礼。