限界を勝手に決めない
今日は小学校のブラスバンドの練習日でした。
今取り組んでいる曲の途中に2小節のドラムのピックアップフィルがあります。
そのフィルイン後に最後の大サビが来て盛りあがってエンディングを迎える構成。
だからとっても重要なフィルなんです。
ただ、そのフレーズが結構やっかいで、一拍半フレーズの連続。
普通にフレーズだけ聞いていると拍のアタマがどっかにいっちゃうタイプのヤツね。
さて、小学生のドラマーにそれをどう叩かせるか。
譜面どおりやるという選択もありますが、多少アレンジしてもっと簡単なフレーズにしてしまう手もあります。
普段は後者を選ぶのですが、今回はあえて
難易度を上げてみました(笑)。
具体的に言うと、一拍半フレーズを叩きながら二拍、四拍でハイハットを踏ませることにしました。
なぜか。
ただフレーズを叩かせることも出来ますが、それだと拍の観念が根付かないんですね。
あくまで基本となる拍があって、そこにフレーズが絡んでくるということを学ばせたかったので、あえてこのような試練を与えることにしました。
それにフレーズだけ聞いていると他のセクションのメンバーも拍が取れなくなってしまうので、ドラマーがハイハットを踏み拍を明確に音として出してあげることで、次の大サビにメンバー全員がそろって入れるというメリットもあります。
午前中はその2小節のフィルをドラム担当の子と、他のパーカッション担当の子たち二人に教えました。こうしてライバル心を育てつつ、もしメインのドラムの子が本番欠席した時などにサブがフォロー出来る体制を作っておきます。
みんなやはりl苦戦していましたが、ずっと続けているとそれなりに形になってきて、すごくゆっくりのテンポなら一応出来るようになりました。
あとはそれを体に定着させることと、テンポを本来の曲のテンポで出来るようにすればOK。おそらく本番には間に合うでしょう
驚くべきことに、ここまで仕上がるのに1時間もかかっていません。
三人ともスーパー小学生なのでしょうか。
いいえ、違います。
私の教え方が上手いというのもありますが(笑)、実は小学生だから短時間で出来るんです。
一拍半フレーズを二拍、四拍のハイハットを踏みながら叩く
というのはそれなりに難しいです。
専門学校の学生で譜面を見て、サッとそれが出来る学生がどれだけいることか。おそらくほとんど全滅でしょう。
ではなぜ年上の学生達がお手上げなフレーズが小学生に出来るのか。
それは
ドラム歴が短いから。
もう少し言うと
ドラムを叩く上で何が難しいとか、何が大変とかいう固定観念が無いから
なんです。
そういうものがないから、やる前から「え〜、難しいよ」とか「自分には無理」という発想が起こりません。
「自分には無理」と決めつけた瞬間にそのフレーズは本当に叩くのが不可能なものになってしまいます。
ドラムをある程度やると良くも悪くも自分の力量みたいなものが分かってきて、自分の得意不得意も見えて来ます。
そうすると自分の不得意分野のパターンやフレーズに出会った瞬間、挑戦することを遮断してしまうんですよね。
小学生はまだドラムを始めて1〜2年で「叩いていて楽しい」という気持ちしかなく、何が難しいのか良く分かっていません。
だからこのまだ真っ白な状態でそういう難易度が高いとオトナが思うようなものでもどんどん挑戦させて
叩けて当たり前
という状態を作ってしまいます。
一度それが出来てしまうと、また別の難しいフレーズが出てきても、やる前から拒絶することなくすんなりと練習してくれます。
で、いつの間にか出来るようになっちゃう。
子供の限界を決めているのは実はオトナの側だったりしませんか。
あんな小さい子にこんなことは無理だ
って勝手に決め付けていませんか
小学生達の演奏を見ているといつも子供達の可能性は無限大だなと痛感させられます。
最後に…
うちのブラスバンドは年々部員が減り、もはや存続も危うい状態です。
なので私は開き直って人数を増やすことにはこだわらないことにしました。
その代わりうちのパーカッションセクションを他の学校が逆立ちしてもマネできないくらいレベルの高いものに育てようと思っています。
人数の多い学校にまともに太刀打ちしてもかなわないので、一点だけでもいいから他校より飛びぬけてすごい部分を作り上げて、それをうちの学校の売りにしようと思っています。
今いるメンバーならそれが出来ると信じています。
では午後の練習に行ってきます。
やべっ、遅刻だ(笑)