良いドラマーになるためのブログ

【プロドラマー・ドラム講師たいこもちのブログ ドラムネタは意外と少ないかも】

必需品

ギタリスト佐々木君のブログに触発されてまたまた自分でも文章を書きます。


楽だね、人のネタに乗っかるのは(笑)。


ドラムを叩く時にどうやって自分の音やメンバーの音をモニターするのかっていう話ですが、今回は


「ご無沙汰バンドではどうやっているのか」


という話を書きます。


ご無沙汰バンドの場合、八王子のライブバー「X.Y.Z.→A」でしかライブをやったことがありませんが、モニターは




していません(笑)




していないというか、


「ドラマー用にモニタースピーカーなどは用意していない」


ということです。基本的に各楽器の生音、キーボードやボーカルはメインスピーカーから聞こえてくる音を聞いて演奏している、というだけです。


そこに調整とかなんだとかは一切ありません。
ってかできませんしwww


聞こえないものは「あ〜、聞こえないなぁ。もうちょっと聞きたいけど、まぁいっか」という感じで割り切ってドラムを叩きます。


最近はコーラスを取るのですがそれもモニター無しの状態です。


だからこそ、なのですが…


演奏する際の必需品があります。


それは




耳栓



です。


イヤーウィスパータイプの遮音性が高いヤツね。


なぜ、必要か。


だってドラムって


音がうるさいじゃないですか(笑)。




アレをしないとご無沙汰バンドのような音の大きいロックバンドでドラムは叩けません。


ドラムというのは音の大きな工事現場と同じくらいの音量が出ているそうです。


そんな音を何時間も聴いていたら、その日は家に帰って布団に入って目をつぶってもずっと「キーン」という音が耳の奥で鳴り続けることになります。


そしてそんなことを連日続けていたら確実に難聴になります。


音の仕事に携わる者としてそれは出来るだけ避けなければなりません。



なので耳栓は必需品。



えっ?でも他のメンバーは耳栓していないけど?
耳は大丈夫なんでしょうか。



確かにそうですね。


ですが、他のメンバーのことなど





知ったこっちゃありません(笑)。




まぁ、それは言い過ぎですが、自分の耳をどう保護するかは各メンバーがそれぞれ考えることですので、耳栓をしないで大音量を聞きたいという人は聞けばいいし、耳栓をしたいという人はすればいい、というスタンスです。


実際耳栓をするとやりにくいという人もいるので耳の保護を取るか、演奏のしやすさを取るかで悩ましい選択だったりもします。


ドラムの音がうるさいから小さくしてくれというリクエストについてはある程度は頑張って対応しますが、あんまり「小さく小さく」と言われたら、「だったらロックバンドなんてやるんじゃねーよ」といって、どこかの時点で開き直ると思います(笑)。


ご無沙汰バンドに関してはボーカルのDIOKENがまず私よりも音の大きな人達とやり慣れていて大きな音への耐性があるので心配なし(だよね)。


ギターの佐々木君については俺より音がデカいので心配なし(笑)。


キーボードの淳君についてはドラムから位置が若干遠いのであまり心配してません。自分用のモニターも用意しているし。


ベースの宮野君については…



ごめんなさい(笑)。



謝罪するしかありません。


いつも私のチャイナシンバルの餌食になっていて申し訳ないとは思ってます。彼が難聴になったらその原因の何パーセントかは私だと思います。


ですがあの小屋で対応出来る部分には限界があるので、「あとは宮野君よろしく!」という思いを込めていつも丸投げしています(笑)。



なお、耳栓は耳の保護だけでなく自分のコーラスのモニターにもなります。


歌う時に自分の声が聞きとれなくて片耳を押えながら歌う人がいますよね。ああやると音程が取りやすくなりますね、確かに。


耳栓をすると外から入ってくる音の音量(特に高音成分)がしっかりとカットされ自分の声のように頭の中に響く音は非常に聴きやすくなります。


なので耳栓があればコーラスの時(特にファルセットなどの音量の小さい声)に音程を取るのがとても楽になります。


ただ、コーラスというのは他の人の声と混ざってナンボなので、自分がいくら正確な音を出してもダメな時はダメなんですけどね。ただ、音をはずしまくっている状態よりははるかにましなので耳栓をしています。


以上のようにご無沙汰バンドで八王子でライブをやる時は私は基本的に他のメンバーや自分の生音を耳栓をした状態で聞きながら演奏をしています。


モニタースピーカーなどがあった方がいいですが、ああいう小屋では生音でも演奏者の力量が高ければ意外とステージ内のバランスが良かったりするので耳栓モニターでも十分楽しく演奏することが出来ます。


ロックバンドでドラムを叩く際、音量を下げて叩くというのは(技術的には出来るのですが)心情的にフラストレーションが溜まるので、基本的には(八王子のお店のようにスペース的にそれほど広くはない小屋でも)フルパワーでぶっ叩きます。


ただ、それだとさすがにメンバーもしんどいし、聞いているお客さんもしんどくなって、ライブをみんなで楽しむことからはずれてしまうので、対策をします。


さきほど音量を下げるために「ある程度は頑張って対応」と書いた、あの部分ですね。


具体的には何をするかというと…





ミュートです。




ミュートとは特定の音域をカットしたりして、音量を下げたり聞きやすくすることです。


ドラムの場合は非常に原始的で、ドラムの皮に直接ガムテープをペタっと貼るやり方がもっとも一般的です。それだけでキンキンした倍音が無くなります。


タムの裏の皮にガムテープを貼ると余韻を短くカット出来ます。余韻は大事ですが長過ぎてもコントロールに困るので適宜調整をします。


一番耳に痛い音がするのはシンバルなのでシンバルも実はミュートをしています。シンバルの美味しいところを一切無くすような過度なミュートはご法度ですが、メンバーやお客さんの聞きやすさも考えてアタックは出るけれど高音成分は若干カットしつつ、余韻も少し短めになるようにガムテープを貼ります。


すごく高度なことをやっているようですが基本的に全て主観でやっているので、全部自分の「きっとそう聞こえているはず」という思い込みでやっています。




ま、音楽なんてそんなものです。



ミュート以外にはスティックをより細いもの、軽いものに変更する、という対処法もあります。


ただ、これもあまりに極端にスティックを細くて軽いものに変えてしまうと音が軽すぎて、ロック本来の迫力みたいなものが損なわれてしまうので、「これ以上は無理」というボーダーはやはりあります。


そんなこんなでいろいろと対処した結果、あのような音になるわけですが、結局のところ



うるさいことに変わりは無い(笑)。



ま、ロックってそういうもんだということで見に来る方々にも割り切ってお付き合いを頂ければと思います。


でも、ちょっとは気を使っているんだということくらいは分かっていただけましたでしょうか?


是非次回のライブではドラムセットのあちこちにガムテープが貼られているのを見て


「ドラマーさんが、ちゃんと我々のことを考えてくれているんだな」


ということにも思いを馳せてみてくださいね^^


ではそんな感じで今回は終わりたいと思います。


次のライブ(10/18)でお会いしましょう!