ドラムを叩くとダイエットになる?(1)
「ドラムをやっています」というと
「ものすごい体力を使うんでしょ」
「腕太くなったりしませんか?」
と言われることがあります。
世間一般ではドラムはスポーツのように捉えられているようです。
■体力について
確かにドラムにはギターやピアノなどに比べればフィジカルを使う楽器ですが、野球やサッカーなどのスポーツと比べたら体を使うレベルははるかに小さいです。
私の知り合いの女性ドラマーはみな小柄で腕も私よりはるかに細いです。けれどみなさんかなりの音量で何時間も演奏することが出来ます。
ジャズ界には70歳を超えてなお現役というドラマーが珍しくありません。大音量で高速ストロークをキメまくる元気なおじいちゃんドラマーは世界中にいます。
この事実だけを見てもドラムを叩くのに(みなさんが考えるほどは)体力は要らないということがお分かりいただけると思います。
■腕力について
ドラムのスティックの重さをご存じですか?
一本当たりわずか50g前後です。
こんな軽い木の棒を何万回上げ下げしても腕は太くなりません。スポーツクラブに行って50gの木の棒を持たされて「さぁ、これで毎日トレーニングすると腕がムキムキに太くなりますよ」と言われても、絶対そんなことはあり得ないと分かります。
しかもドラムの場合はドラムの打面を叩くわけですから、必ず反動(リバウンド)があります。
ただ空中を振り回すだけなら50gのスティックと言えども多少は疲れますが、実際は叩いた後にスティックが跳ね返ってくるわけで、スティックを自分の力で持ち上げる作業というのは実はとても少なく、体力の消耗は思っている以上に小さいのです。
■結論
「ドラムを叩いたら体力がつくから一石二鳥」と考えている人は、その考えは捨ててください。演奏とは別にトレーニングをして体力を養ってください。
「腕が太くなったら嫌だな」と考えている人は、どうぞご心配なく。あんな軽い木の棒をいくら振り回しても腕は太くなりません。
というわけでダイエットには“基本的には”なりません。
痩せたい方は地道に食事コントロール、筋トレ、有酸素運動などを組み合わせて王道のダイエットを行ってください。
ただし!
私は「“基本的には”ダイエットにはならない」と書きました。ということはダイエットになる側面もあるわけです。
次回はそのことについて書きます。