良いドラマーになるためのブログ

【プロドラマー・ドラム講師たいこもちのブログ ドラムネタは意外と少ないかも】

ドラムを叩くとダイエットになる?(2)

前回はドラムは思っている以上に体力を消耗しないのでダイエットには適さない、ということについて書きました。


今回はその逆の事についていろいろと書いていきます。


■実は痩せる?

“基本的には”という条件付きで言えば、ドラムの演奏をして痩せるということはまずありません。

※もちろん厳密に言えば長時間演奏すれば多少は痩せますが、野球やサッカーや格闘技などのスポーツに比べたらはるかに運動量は少ないので、そういった運動と比べたら痩せる率は全然低いです。

とは言え私自身、激しいライブをやった後は体重が2~3kg落ちていることがあります。

それはなぜか。

ではドラマーが痩せる理由について説明します。


■痩せる理由(1)-初心者

スポーツでも楽器でも初心者はとにかく無駄な力が入ってガチガチになります。ガチガチになって筋肉に力を入れている状態が長ければ、それは当然体力の消耗につながりますから、初心者のうちはドラムを長時間叩けば痩せます。

ただしドラムが上達するにつれて、無駄な力が抜けてくるので痩せる率は下がってきます。

まぁ、痩せるためにあえてヘタクソな状態で居続けるという人はいないでしょうから(笑)、「初心者ダイエット」が出来るのは一時的なものです。

ドラムを長時間叩いてもあまり痩せなくなってきたら、上達してきた証拠です。素直に喜びましょう。


■痩せる理由(2)-スタイル

X JAPANYOSHIKIと言えばライブ後にバタッと倒れてしまうパフォーマンスで有名ですが、あれは演出でもなんでもなくて本当にしんどくて倒れてしまっているのだと私は思っています。

「破滅に向かって」というくらい彼のスタイルは激しく攻撃的で後先考えずに常に全力で突っ走ります。例えるならば100m走のスピードのままマラソンを走るようなものです。

当然体力の消耗は激しく、ああいったスタイルでドラムを叩くのであれば確実に痩せます。

彼は極端な例かも知れませんが、ハードロックやメタルなどのジャンルには体力でねじ伏せて行くドラムを叩くスタイルのドラマーが数多く存在します。

ちょっと深い話になりますが…

音楽は「表現」の世界。出来る限り体力を消耗しないエコノミーな奏法は基本的には正しいです。

ですが自分が表現したい世界がそのやり方では表現出来ないのであれば、その奏法はその人にとっては正しくないのです。

体力を消耗したとしても自分の感情をストレートに音楽にぶつけられるやり方の方が自分らしさを出せるスタイルだと思えば、それをやる。それがミュージシャンというものです。

だから激しい音楽のジャンルのドラマーは長時間叩き続ければ当然痩せます。

ちなみに私は現在かなり激しく叩くスタイルを好むのでライブ後は痩せていることが多いです。ま、ビールを飲んで元通りという話もありますが(笑)。


■結論

『ドラムはダイエットになるのかの答えはYESでもあり、NOでもある。それは状況やその人のスタイルによる』

ということになりますね。

ただ激しいプレイスタイルのドラマーも無駄な力が入っているわけではなく、あくまで自分の感情を表現するために必要なパワーを込めて叩いているので、ただ「力を入れて叩けばいい」のではありませんから誤解しないように。

やはり初心者のうちは王道の基本的な演奏法(力まない奏法)を習得することを心がけましょう。

基本が出来ていればあとから応用を利かせたり、あえて基本をはずしたり、ということは楽に出来ますから。