練習との付き合い方
ドラムを習っている方の中には先生から出された課題が難しくて「う~ん…」と困っている人もいることかと思います。
今回は練習との付き合い方について書いていきます。
■楽しくないことは止める
「楽しくないことは止めましょう」なんて先生の立場でこんなことを書いていいのかという気もしますが、あえて言います。
「いいんです!」
前回書いた通り、ハマッてしまえば何事も自然と上達します。逆に言えばハマらないこと、退屈なことはいつまで経っても上達しないか、上達の速度がきわめて遅いです。
「上達はしたいんだけど、なかなか結果がついてこない…」という方、「~しなければならない」と、義務感で練習をやっていませんか。
人間は強制されると苦痛を感じます。苦痛を感じると脳がそれをやることを拒絶するのでますますやらなくなります。やらないので当然上手くもならない。
まさに悪循環です。
そして練習をサボるとサボった人は非難されます。「意志が弱い」とか「真剣さが足りない」とか言われ、言われた人も「俺ってなんでこうだらしないんだろう」と自分を責めます。
けれどドラムの練習をサボったその人も大好きなゲームだったら寝る間も惜しんでやり続けます。
この違いは何なのか。
結局のところ意志が強いとか弱いとかは関係なく、その人にとってドラムの練習がゲームと同じかそれ以上に楽しいものであれば、自ら進んで取り組む、ということです。
■練習内容を変更する
練習をゲームのような「楽しいもの」という位置づけにするためには
練習内容自体を変更する
練習に対する自分のスタンスを変える
の二つのやり方があります。
例えば先生から出された課題がどうしても楽しいと感じられず練習に身が入らない場合は(勇気が要るかも知れませんが)正直に伝えて練習メニューを変更してもらうのも手です。
お医者さんに行って薬をもらったけれど効かないので別の薬をもらえませんか、と伝えるような感じです。
ドラムの上達方法は一つではありません。どんなテクニックでも習得する方法はいくつかありますから、あれこれ試すうちにその人に合うやり方が見つかるかも知れません。
何をやるにしても出来れば楽しいやり方で上達するに越したことはありませんからね。
■自分のスタンスを変える
同じ練習メニューでも「先生がやれと言ったから」と受け身に捉えると楽しくありません。自ら自分の意志で取り組むものという意識が芽生えると自然と練習にも身が入り、身が入ると結果が出てきます。そして練習自体が楽しくなります。
自ら取り組むためには「練習=苦痛=我慢=辛いもの=嫌なもの」というマイナスの思考を捨て、「練習=ゲーム=楽しい=上手くなる=大好きなもの」というプラスの思考が気持ちを占めるように自分で仕向けることが大切です。
そのためにはよく言われることですが「何事もゲーム感覚でやるようにすると良い」んですよ。
ゲーム感覚というと不真面目な印象を持つかも知れませんが、ゲームでも強い敵を倒す場面ではみなさん真剣そのものですよね。ゲーム感覚だからと言って遊び半分ということではありません。
やっていることは真剣そのもの。ただ楽しみながら取り組むので「ゲーム感覚」という言葉で表現しているだけです。
「この練習が終わったらあとで自分にご褒美をあげよう」とか自分をエサで釣るのでもいいです(笑)。
自分の好み、何に対して面白い、楽しいと感じるかなどは自分が一番良く知っています。練習メニューを自分用にどんどんカスタマイズして「ドラム練習」というオリジナルのゲームをクリアする感覚で取り組みましょう。
■終わりに
一般的に練習は「楽しくないもの」と認識されている傾向があります。部活の練習で先生の指導が厳しくて辛い思い出しかない、なんて人もいます。
まずはそういう意識を捨てることが大切です。
練習は自分の未知なる可能性を引き出す作業です。
「出来なかったことが出来るようになった」
「自分にはこんなことが出来たんだ…」
これってワクワクしませんか。
「この練習を続けたら一年後には俺どこまで上手くなっちゃうんだろう。」なんて目をキラキラさせながらいつも私は練習していました。
みなさんの中に眠った可能性を引き出すのは練習しかありません。ダイヤモンドも磨かなければただの石ころ、なんてよく言いますよね。
是非楽しみながら自分を磨いて最高に輝いているあなたをみんなに見せてあげましょう。