本当に「やりやすい」ですか
正しいフォームやグリップを教えると
「なんかこれ、やりにくいんですけど」
と言って、元のフォームに戻してしまう生徒さんがいます。
でも本人が「叩きやすい」というそのフォームを見ると...
メチャクチャ^^
その人に聞きたいんですが本当にそのフォームやグリップって叩きやすいんですか?単にその持ち方が
「クセになっているのを叩きやすいと勘違いしている」
のではありませんか。
私はよくお箸の持ち方を例に出すんですが...
初めてお箸を持った時を思い出してください。お箸って最初ものすごく持ちにくいですよね。小さい子はちゃんとした持ち方を教えてもすぐには出来ず、自己流の持ち方に戻してしまいます。その時点ではその持ち方の方がやりやすいからです。
けれど練習して正しく箸を持って自在に使えるようになってからはどうでしょう。もう以前とは比べものにならないくらい食事が楽になり、きれいに早く食べられるようになりましたよね。もう以前の持ち方に戻そうなんて思いません。
スティックの持ち方も同じです。
正しい持ち方は最初は「やりにくい」もんなんです。それまでそんな持ち方は経験したことがないんだから。
けれどそれが体に定着すると以前とは比べものにならないくらい叩きやすくなりテクニックの習得のスピードも格段にアップします。そうなった時に初めてスティックの持ち方を直して良かったと実感することでしょう。
レッスンの初期段階では私からスティックの持ち方を直される生徒さんもいると思います。最初は「えっ?なんかやりにくいんだけど」と戸惑う人もいるかも知れません。
けれどそこはちょっとだけ根気よく頑張ってみて欲しいんです。その正しい持ち方が定着するにはどうしても反復練習が必要で、これにはどうしても時間がかかるんです。
「先生がそこまで言うからにはやってみるか」とオープンな気持ちで是非取り組んでみてください。そしてとにかく新しい持ち方に慣れること。その持ち方が自分にとっての「当たり前」になって体に染みついてしまえば、ドラムを叩くのが格段に楽になりますから。
全ては「慣れ」が解決してくれます。