「音楽でメシを食う」ということ(その3)
■ギャラについて(フリーのミュージシャンのケース)
ギャラは本当にピンキリです。
私もレコーディング用とライブ用の定価というものが一応ありますが、その額で引き受けることはまずありません。
その時々で現場の状況が異なるし、予算も異なるし、叩く曲数なども異なるので、最終的には双方の妥協できる金額で折り合うという感じです。
・レコーディング
1曲いくらでもらったり、1日拘束していくら、全○曲でいくら、ということもあります。
・ライブ
リハはこの金額、本番はこの金額と分かれることが多いです。(通常は本番はリハの2倍)ただしこれもリハ・本番全て込みでいくらという風にもらう時もあります。
ライブの本番の映像がDVDでリリースされる場合などは2次使用料として本番のギャラを余分に1本分もらうこともあります。
・当て振り
一現場でいくらということがほとんどでしょう。アマチュアの学生がやる場合などは「経験が積めるんだからノーギャラね」なんてこともあります。
ではこれらのギャラは一体いつもらえるのか。
昔は「とっぱらい」と言ってその場で現金で支払われることも多々あったようですが、私はそのような現場はほとんど経験がありません。
私の場合は請求書を書いて支払元(事務所なり制作会社など)に送り、後日それが振りこまれるというパターンがメインです。
キツいのは支払いのサイクルです。
「末締めの翌々末払い」
なんてのがよくありました。
要するに3月に仕事をしてその請求書を支払元に送ると、3月末で締めて処理をして、実際に振り込まれるのが5月末になるということです。
その間以前の仕事のギャラが入ってくる人はいいですが、仕事がコンスタントに無い人の場合は2か月以上も無収入期間が発生することになります。
これは本当にキツいんでコンスタントに仕事が入るようにミュージシャンはいろいろと営業(=飲み会に顔を出すこと(笑))も頑張るわけです。
■ミュージシャンは稼げる?
稼げる人と稼げない人がいます。(当たり前ですが(笑))
まずバンドにしろフリーのミュージシャンにしろ作家さんにしろ、売れっ子になってしまえば十分なお金を稼げます。
サラリーマンがうらやむような金額を手にすることも可能です(私は経験がありませんがwww)。
次に売れっ子というほどではなくても堅実に仕事をこなして着実に稼ぐタイプの人も結構多いです。
知人のアレンジャーなどはコンスタントに仕事をこなして常に安定した生活を送っています。
売れっ子にもなれず、堅実に仕事をこなすスキルもない人となると、稼ぐのはかなり厳しいです。バイトをしながら音楽を続けている人も少なくありません。(私も数々のバイトを経験しました)
また以前は食えていたけれど、時代の流れもあり最近は厳しいという方もいらっしゃいます。
それでも音楽が好きだから止められないんですよね~。こればっかりはどうしようもありません。
いずれにしろ「お金目当て」でミュージシャンを目指すのだけは絶対におススメしません。普通に就職した方が稼げる確率が高いです。
「音楽が好きで好きでたまらない。」「これ(音楽)しか自分の進む道はない。」
そう思える人しか入って来れない世界なのです。
(その4へつづく)