「音楽でメシを食う」ということ(その5)
■信用の無さ(笑)
ミュージシャンの信用の無さと来たら...。
社会の底辺ラインだと思ってください(笑)。
その辺のサラリーマンの何倍も稼いでいても人としての扱いは低いです。(銀行にお金を借りに行ったりするときっと分かると思います)
引っ越しするにも不動産屋さんに訝しがられます。
ミュージシャンでキャッキャッ言われるのはTVに出演するような全国区で有名な方達だけです。
以前運転中に警察の検問にかかりました。
「お仕事は?」
「ミュージシャンです」
「はい、腕まくって見せてね~」
って...
クスリなんかやってないっちゅ~ねん!!(笑)
■生活の不規則さ
朝は比較的遅いことが多いです。
午前中から開始という現場はあまりなくて私がよく行く現場も13時スタートというところが多かったです。
ですが夜は延々と何時まででもやったりします。
レコーディングなんかでは徹夜も珍しくありませんでしたね。
リハでは一番遅くて深夜の2時から通しリハをやったことがあります。
そして仕事が終わったらまっすぐ帰ればいいのにそこから飲みに行くからまた遅くなって、サラリーマンが出勤する時間にご帰宅みたいな(覚えがある方、いますよね(笑))。
私は結婚して子供を持ってからはそういう自堕落な生活とは縁を切りましたが(っていうか子供に無理やり朝起こされる)、独身のミュージシャンで今でもこういう不規則な生活をしている方も一部いるようです。
肝臓に気を付けてくださいね~。
■生活の不安定さ
生活が不規則な上に生活も不安定なのがミュージシャン。
毎月毎月決まった額が振りこまれるということは基本的にありません(給料制のアーティストを除く)。
大きなツアーが入ってビックリするような額が入金された翌月から収入ゼロなんてことも珍しくありません。
挙句そのアーティストが翌年「解散しま~す」とか言ってツアーが飛んだら目も当てられません(アテにしてたのに~!!)。
だから日頃から貯金とかしておけばいいんですが、入金があるとつい機材買っちゃうんで貯まらないんですけど...^^
■健康について
生活が不規則で不安定だからこそ健康には気を付けたいもの。
私の周りでも最近ではタバコを止めたり、早起きをして運動をしたりする健康的なミュージシャンも増えてきました。
おそらく一般男性の方が喫煙率は高いような気がします(実感値ですが)。
個人事業主で体が資本だからみなさん健康に気を遣っているみたいですね。
一昔前のミュージシャンは不健康が売りみたいなところもあったんですが、今のミュージシャンはその辺りは随分と考え方は変わってきているように思います。
私も若い頃は連日浴びるようにお酒を飲んでいたので血を吐いたこともありましたし、お酒を飲まないと眠れない時期もありました。
ですが、今はいたって健康的な生活を送っており、毎日筋トレをやり暴飲暴食はしません。お酒もたしなむ程度で二日酔いとはほぼ無縁な生活です。
自分にとって一番大切なものは音楽なので、音楽を最優先で考えたら自然とそうなった感じです。
あまり無茶をし過ぎて大好きな音楽をやりたくても出来ない体になってしまったら本末転倒です。音楽と長く付き合うためにも体のケアは忘れないようにしてくださいね。
■フリーは一つの企業のようなもの
フリーのミュージシャンは本当に大変ですよ。一つの会社だと思ってください。
技術開発、宣伝、営業、総務、経理などなど全部一人でやらなければなりません。
エージェントに属していればある程度任せることが出来ますが、それでも全部任せっきりということは出来ません。
パソコンも使いこなせなければなりません。
今時はデータのやり取りや音源・譜面などの資料の配布もダウンロードが一般的ですから
「パソコン苦手なんですよ、エヘヘ」
なんて笑っている場合ではありません。
あなたがスーパーグレートミュージシャンだったら誰かほかの人がやってくれるでしょうがそうでないなら何でも出来るようにしておきましょう。
パソコンの事で分からないことがあったら聞いてください。
(その6につづく)