マルチプレイヤーを目指そう
ドラム一筋の人生って、それはそれでかっこいいんですが、私は是非他の楽器にもチャレンジして欲しいと思っています。
「一つの楽器だけでも大変なのに、他の楽器まで手を出したら時間がいくらあっても足りない」
と考える人もいるかも知れません。
でもそうではないんです。
■楽器には共通点がある
例えば私はギターを持ってすぐにカッティングがなんとなく出来ちゃったんですね。弾きながら「あ、これってハイハットを両手で叩く16ビート同じじゃん」って気付いたらすぐに出来ちゃった。
あとベースのスラップのパターンとかも「あ、これ左右の手をパラディドルの要領でやれば簡単じゃん」って気づいたら結構すぐに出来ちゃったんです。
楽器にはそれぞれの特有の奏法があり、それは当然楽器ごとに練習するしかありません。けれど楽器が違ってもリズムの取り方は一緒だし、奏法の中に共通する部分はたくさんあります。
だから1つ目の楽器で苦労したからと言って2つ目の楽器に手を出したら苦労が2倍になるかと言ったら全然そんなことはありません。
1つ目の楽器で覚えたことが2つ目の楽器で役に立つので半分くらいの労力でどんどん上手くなります。
■オススメの楽器1 -オールマイティな楽器-
ドラム以外の楽器としてオススメするのは断然ギターかピアノです。
ギターやピアノはリズム、メロディ、ハーモニーという音楽の全ての要素をカバー出来る楽器なので、音楽についてトータルで学べますし、ある程度知識が付いて弾けるようになれば作曲や編曲にも役立ちます。
作曲が出来れば将来曲が大ヒットした時に印税がガッポリ入ってきます(笑)。
アレンジが出来ればドラムを客観的に捉えながら叩くことが出来るようになりますし、またアレンジャーとして仕事が出来るくらいになれば、収入の柱が一つ増えてミュージシャンとしての生活も安定します。
■オススメの楽器2 -ドラムに近い楽器-
ベースやパーカッションなどもオススメです。
ベースとドラムはアンサンブルにおいては夫婦のようなものでリズム隊(体)と呼ばれるくらい密接な関係にあります。
ドラマーがベーシストの気持ちをを分かることは実はとても大事なことで、相手が求めているプレイを自分が音で表現出来ればそこに強い信頼関係が生まれ、ガッチリかみ合って間違いなく素晴らしい演奏になります。
パーカッションとドラムはリズムを扱う部分や奏法の面において共通点が多くドラムから見れば親戚のような楽器です。
したがってドラマーがパーカッションもやるというのは他の楽器よりも比較的ハードルが低い(※)んですね。
最近は「アコースティックライブをやりたいんだけどパーカッションお願い出来ないかな...」と頼まれる現場が多いのでパーカッションも出来るドラマーは非常に好まれます。
■オススメの楽器3 -あえてドラムから遠い楽器-
あえてドラムから役割が離れている楽器を選択するのもありです。(例えばSAXなど)
息を使って音を鳴らす。
和音は出ない。
曲中でソロを取ることが多い。
などドラムとは真逆の特徴を持つパートの楽器をやることによって、それらを演奏する人達がドラマーに何を求めているのかを知ることができます。
また管楽器の人達のブレスの位置を知ったりすることはドラムを叩く上でも役立ちます。
■オススメの楽器4 -自分がメインに-
最後にオススメするのは楽器と言っては語弊があるかも知れませんが、「歌」です。
ドラムは基本的に裏方ですがあえて自分がステージの主役となってメインボーカルをやるのもオススメです。
私は最近カラオケに凝っていて、あれこれ歌うようになったのですが歌い手から見た「歌いやすいドラム」というものを考える良い機会になりました。
歌モノのドラムを叩く場合はあくまで主役は「歌」であり「歌手」です。彼らが歌いやすいドラムとはどういうものなのか。そういうことを学ぶためにも歌に取り組んでみることをオススメします。
またメインボーカルが出来るくらいになればコーラスは楽勝です。ドラムを叩きながらコーラスを取れればそれは非常に強い武器になります。
是非歌にもチャレンジしてみてください。
※パーカッションって本格的にやったらこれほど奥の深い楽器もないんですけどね。ただドラマーとしてはカホンとかは比較的取り組みやすいと思います。