好きなドラマー(4) ~コージー・パウウェル(RAINBOW他)~
■好きになったきっかけ
コージー・パウウェルが好きな理由。それは一言「カッコいいから」に尽きる。
中学生の時、DEEP PURPLEが好きになった流れでRAINBOWにも夢中になった。その時初めてコージーのドラムを聴いたが、そのスケール感にぶっ飛んだ。
「これぞロック」という大きなビート。決してテクニカルではないが、ツーバスを駆使した男気のあるフレーズ。しかも叩き方がもうこれ以上ないくらいカッコよくてまさに自分にとってのロックスターだった。
■プレイ分析 ~グルーヴ編~
コージー・パウウェルに関してあまりグルーヴの面から語る人は多くない。イアン・ペイスと同じで他にもっと目立つ部分があるのでどうしてもそちらに目(耳)が行ってしまうのだと思う。
ただセッションプレイヤーだったこともあり、リズムはしっかりしている(ジェフ・ベックのところにいたくらいだからね)。
グルーヴは重たい曲は重いが、スピード感のある曲は勢いのあるニュアンスで聴かせてくれる。
リズムパターン自体はシンプルなものが多いが、彼が叩くと独特な質感があってそこが非常に大きな魅力となっている。
■プレイ分析 ~フレーズ編~
「コージーと言えばこれっ!」というくらいトレードマークになっているツーバスフレーズ。
「左手→右手→右足→左手」
という4つの音からなる。左手はスネア、右手はタムを移動することが多い。
コージーはこのフレーズを本当に気に入っていて多用しまくる。ドラムソロはほとんどこれだけを繰り返して終わりだったりする(笑)。
中学生の時にこのフレーズをコピーしてパタパタやってました。一回体に入ると結構楽に出来るのでおススメです。手の手順を「右手→左手」に変えてもOK。
これ以外にもツーバスを絡めたフィルは随所で出てくるので是非チェックしてみて。
■プレイ分析 ~スピード感~
コージーのプレイの非常に面白いところは「それほど速くない音符がものすごく勢いやスピードがあるように聞こえる」点。
・スピード感があるフレーズ(1)
「Lost in Hollywood」の冒頭のスネアのシングルストロークのフィルイン。
※メチャクチャカッコ良くて高校時代にコピーした。これが叩けると一目置かれてちょっとしたヒーローだったのだ。
でもこれ最近叩いてみたら「あれっ?」なった。
「それほど速くないじゃん」
自分のシングルストロークのスキルが上がった今となっては、結構楽勝で出来てしまう。ただ、決してコージーのようなサウンドの質感にならない。
何度聞いてもオリジナルはものすごいスピード感を感じるのだが、自分がやると全然軽くてあんな勢いが出ない。やっぱコージーすげぇ。
・スピード感があるフレーズ(2)
「Star Gazer」のイントロ。上で紹介したコージーのトレードマークのツーバスフレーズ。
だがいざやってみると思っているよりずっと遅くて、決してコージーのようなスピード感が出せない。
速くないのに速く聞こえるっていうのは楽にやっているのに「すげー」って言われるから一番いいよね(笑)。
■プレイ分析 ~テクニック編~
コージーのプレイに関してはいわゆるテクニック的な面ではそれほど難しいことはやっていない。
ただ音が相当デカかったと思われるのだが、驚くべきはレギュラーグリップを結構多用していたこと。
低いイスで猫背で真っ平らなスネアをガンガン叩きまくるのがコージーのスタイルだが、ネットで映像を確認するとマッチドグリップだけでなくレギュラーを本当によく使う。
スティックは極太で18mmくらいはあるのではないだろうか。そんな棍棒みたいなスティックをレギュラーグリップでコントロールしてマッチドグリップにも負けないような大音量を出していたのだから、やっぱり化けものだ。
ちなみにロールなども上手い。マーチング経験者かも知れない。
■最後に
プレイの分析などしても実のところコージーのすごさやカッコよさは半分も伝わらないと思う。
今はYuotubeという大変便利なものがある。是非彼の演奏を直接自分の目と耳で確認してみて欲しい。RAINBOW時代もいいけれど、MSG(マイケルシェンカーグループ)のコージーもすごくいい。まさに脂がのり切っているコージが聴けます。
今ツーバスですごいドラムを叩いているスーパープレイヤー達はほぼ例外なくコージーを聴いて育った人達。コージーより速く叩けるし、はるかにテクニカルで難しいことが出来るが、コージーの存在感を超えるドラマーってのはまだいないんじゃないかな。