良いドラマーになるためのブログ

【プロドラマー・ドラム講師たいこもちのブログ ドラムネタは意外と少ないかも】

「ドラムが上手くなる7つのマル秘テクニック」

タイトルに惹かれて思わずクリックしてしまった人はいませんか。

すいません、白状します。

 

釣りタイトルです^^

 

今回はこういった宣伝文句に心が揺れ動いてしまう人を対象に書いていますのでご容赦ください。


結論を先に言っておくと楽器の習得においてマル秘テクニックなどは存在しません。地道に練習しましょう。なんだかんだ言ってもそれが一番近道です。そしてそれが真実です。

けれど世の中、こういう客寄せタイトルがあふれています。


『誰でも1週間で自由自在に○○が出来るようになる!』
『全く上達しなかった方には返金保証!』
『24時間メールサポート!』
『今なら特別エクササイズを収録したDVD付!』
『先着100名様までは90%OFFの19800円!』


人間は少しでも楽をして結果を手に入れたいと考える生き物です。ダイエット業界なんかまさにそうですね。体重を落とすためには摂取カロリーを落とすか、消費カロリーを上げるしかありません。誰もが心の底では分かっているんです。けれど食後のデザートを止めることは苦しい。運動を日々やることは苦しい。そこでつい楽な方法に逃げる...

「楽をする」というのが「無駄な労力を極力減らす」という意味であればOKです。効率よく結果を手に入れることはむしろ推奨したいくらいです。

けれど本来絶対にやらなければいけない基本さえも省略して結果だけを求めたいということなら今すぐ考え方をあらためてください。それは無理です。絶対に無理です。世界中に何万人というミュージシャンがいますがみんな猛練習の末に素晴らしいテクニックを習得したのです。誰ひとり例外はありません。


今後もしまた思わず中身を知りたくなるような宣伝文句を見かけたら一呼吸おいて冷静に考えてみましょう。

例えば「ドラムが上手くなる7つのマル秘テクニック」というセールスレター。パッと見、興味をそそりますよね。

 

ですが・・・

 

これだけ教則本や教則DVDが出回っていてネットが普及して世界の超一流のプレイヤーの動画がYoutubeでチェックでき、ありとあらゆるノウハウがオープンになっている時代にマル秘の情報があると思いますか。

仮にあったとしてなぜその人はそのマル秘情報を入手出来たのか。(特殊な裏ルート?自分で編み出した?(笑))

ではなぜそのマル秘情報を格安で提供しようとしているのか。(人助け?慈善事業?(笑))

あなたが逆の立場だったらそのマル秘テクニックをオープンにするでしょうか。本当に価値のあるマル秘テクニックならもっともっと高額で提供してもいいとは思いませんか。

 

一歩引いて理屈で考えればこんな宣伝文句はツッコミどころが満載です。引っかかる方がおかしいと気づきます。けれど焦って結果を求めようと言う浮ついた気持ちがあると本来引っかかるはずのないインチキを見破れずに手を出してしまったりします。

そんないいかげんなまがい物に踊らされて大切な時間とお金を浪費するのは悔しくありませんか。そんなお金があったらまっとうな教則本や教則DVDを買うもよし、スタジオに入って練習するもよし、欲しかった機材を買うもよし。自分にとって本当に有益なことに使いましょう。


繰り返しますが「楽器が上手くなるためのマル秘テクニック」などありません。数週間で自由自在に弾けるようになる魔法のような手法もありません。それでも「ある」という場合は必ず何か前提条件が付いているか、その人が嘘吐きかどちらかです。

どんなスーパープレイヤーも誰もがやるような基本練習をみっちりやって実力を身に付けたのです。もちろん才能とか素質によって人よりも数倍速くテクニックを習得する人もいるでしょう。けれど「○日間××をやったらあなたもドラムが自由自在に叩ける!」なんてことは絶対にあり得ません。


ただし、マル秘テクニックとは言いませんが、教則本や教則DVDから得られない特別なsomethingがあるとしたら...

それは講師一人一人が自身の経験から導き出したノウハウだと思います。どんな教材も自分専用に作られてはいませんが我々講師は生徒さんの個性や特性に合わせて出来る限り分かりやすくポイントやコツを伝えようと努力していますし、生徒一人一人に合わせてカスタマイズした個人レッスンを提供することが出来ます。

世の中にそれほどまでに生徒自身にとって便利で優しい教材はありません。我々が行うレッスンは例えるならば生徒さんにぴったり合うように作られたオーダーメイドの服のようなものです。

ですから結局のところ授業で出された課題をしっかりやっていれば最短距離で上達するわけで、怪しげなマル秘テクニックなど全く必要ないということです。


あれ?なんか自画自賛ブログになっちゃいましたね(笑)。
でもそういうことなんで安心してレッスンに励んでください。