ドラマーの味方 ~メトロノームとの付き合い方(1)~
メトロノームは本当に心強いドラマーの味方です。メトロノームなしの練習などあり得ないと言っても過言ではないでしょう。
どんなに素晴らしいリズム感の持ち主でもいきなりドラムセットに座ってリズムを叩き始めたらリズムはヨレます。リズム感が怪しい人だったらなおさらヨレヨレになります。
だから我々ドラマーはメトロノームを使った練習を積み重ねて正確なリズムを体に叩き込むわけです。「プロになったからもう必要ない」なんてことはなくてプロアマ問わず練習の時は常にメトロノームを使います。
ただものすごく頼りになる相棒であるメトロノームですが付き合い方には気を付けなくてはいけません。
■ケンカしない
メトロノームとは仲良くしてくださいね。私は初期の頃よくケンカしましたよ~。「なんだよっ!俺のドラムとズレやがって!」って。ズレてるのは私のドラムの方なんですがね(笑)。
とにかく慣れないうちはメトロノームとズレるんですごくイライラしました。
人間ですから感情に合わせてリズムが速くなったり遅くなったりすること自体はいいんです。とても自然なことです。
ただ初心者のうちはその「走り」や「モタり」が極端過ぎてリズムが歪んでしまって音楽的でない(というか音楽をぶち壊してしまう)ケースが多いので、まずはリズムを矯正してあげる必要があるのです。
メトロノームと友達になって「一定のテンポで安定した演奏が出来る」という土台を作った上で、感情的な揺らぎを自分の演奏に加味していくことが出来ればそれはとても音楽的で素晴らしいものになります。
我々のリズムを強化してくれる頼もしいヤツなのだから仲良くしておきましょう。
■メトロノームに頼らない
メトロノームとは仲良しになって欲しいんですがメトロノームに頼り切りというのはよくありません。
なんでもそうですが完全に依存してしまうのは危険です。
メトロノームは自分のリズムキープ力を強化するアイテムであり、あくまでリズムキープをするのは自分(のタイム感)です。
その一番大事な部分をメトロノームに頼ってしまうということはリズムキープを放棄するということであり、自分の中で「メトロノームが上で自分が下」という主従関係を作り上げてしまうことになります。
そういう人が叩くドラムはメトロノームに合わせて機械的に手足を動かす『作業』でしかないので全く感動出来ません。
正確なリズムを叩くことはドラマーにとって大切なスキルですが、一番大切なものを放棄してまでひたすらメトロノームに合わせて叩くことに何の意味があるでしょうか。
そんなドラムを叩くくらいだったら多少ヨレてもあなた自身が心から楽しいと思えるビートを叩いてくれた方が100倍素敵です。
くれぐれもメトロノーム依存症ドラマーにならないように注意しましょう。