良いドラマーになるためのブログ

【プロドラマー・ドラム講師たいこもちのブログ ドラムネタは意外と少ないかも】

プロだって

ドラムがなかなか上手くならなくて苦しい思いをしている人は少なくないと思います。

 

「いいなぁ、プロは。あんなに上手かったらさぞかし叩いていて楽しいんだろうなぁ...」

 

そんな風に見えますよね。

 

私自身先輩ミュージシャンの演奏を見ていると、もうその素晴らしさにため息が出るばかりで「自分とは違うなぁ」「自分もあんな風になりたいなぁ」と思っています。

 

ですが、そういう超一流の大御所の方達も、実はみなさん同様ものすごく苦しんで日々頑張って努力を重ねてあのような演奏をしているのです。

 

プロだから本番ではもちろんそんな苦しんでいるそぶりは見せませんよ。けれど練習時に苦しんだり悩んだりする部分はアマチュアの人と変わりません。いや音楽を職業としている分、むしろアマチュアの人よりももずっと深いところで苦しんでいたりします。


以前とある現場で某ヴォーカリストのバックをやっていた時の話。その人の歌はもうとんでもなく素晴らしくて、世の中にこんなに歌の上手い人がいるのかと驚くほどのレベルでした。

 

一方私は思うようなドラムが叩けなくてヘコんでいたんですね。

 

リハの合間の休憩中にロビーのソファーに座っていたらその方もやってきたんで「いろいろと練習はしているんだけれど思い通りのドラムが叩けない」と弱音をポロっと言ってしまったんです。そうしたら驚いたことにその人が

 

「いや~、みんなおんなじだよ。俺だって...」

 

と言うんですね。

 

私はもうビックリするばかりでしたよ。「あんな完璧な歌を歌えるのに?」「あなたの歌のどこに改善点があるの?」と。でもその人にとっては自分の歌はまだまだ理想には程遠いらしく、陰で懸命に練習しているとのことでした。

 

なんかその話を聞いたら、もう私は恥ずかしくなりましたね。

 

いっちょまえに悩んで「練習しているのに上手くなれなくて苦しい」なんて弱音を吐いている自分が。

 

そんなすごい天才でもまだ理想を目指して練習してるんだぞ。
お前なんかヘタクソなんだから練習して当たり前。
才能が無いんだからそんなに簡単に結果が出なくて当たり前。
それでも練習を続けていれば昨日よりヘタクソになることはないんだから自分を信じてやり続けろ。

 

そう思ってその日からはどんなに伸び悩んでもへこたれずに取り組むようになりました。


プロ呼ばれる人達も一人の人間です。音楽に関していろいろと悩みや問題点を抱えています。

 

時には止めたくなるほど苦しい思いをする時もありますが、それでもやっぱり音楽が大好きで音楽をずっと続けたいからこそ、苦しみに背を向けずに真正面からぶつかって少しでも上へ登ろうと必死に練習しているのです。

 

私の知っているプロミュージシャンの人達は例外なくみな努力家です。

 

本当に一人残らず努力家です。

 

皆さんも壁にぶつかってもがき苦しむことがあると思いますが、くじけないでください。そこを乗り越えた人だけが一段上へと登れるのです。

 

もちろん楽器が下手でも楽しむ事はできます。でも出来ることなら少しでも上手くなって我々と同じような景色を見て欲しいと願っています。