是非一度読んでおいて欲しいブログ
これから音楽業界を目指す若い人たちに向けて書かれたあるブログがとても素晴らしい内容だったのでご紹介します。
以前専門学校で教えていた時、保護者の方から「卒業後はミュージシャンとして就職出来るのでしょうか」というような問い合わせがあったことを記憶しています。
保護者の方のご心配はごもっともですが、これは完全な勘違いです。
ミュージシャンは(例えばゲーム会社に就職してサウンド制作の部署に配属されるというケースを除いては)基本的に個人事業主です。
仮に事務所に所属したとしても、その会社の社員になるわけではありません。
アーティストとして専属契約を結ぶだけ。結果が出なければ(出せなければ)どこかのタイミングで契約解除(要するにクビ)になります。
「プロになる」ということはそのような非常に不安定な世界で生きていくのだということは覚えておいてください。
一般企業ですら安定とは言い難い昨今、音楽業界で生きていくのはさらに不安定な生き方を選択するのだという自覚は持っておいてください。
そしてこの紹介したブログにも書いてありますが、好きなことを仕事にするのは上手くいっている時はいいですが、上手くいかない時はかなり精神的にキツいです。
好きなことをするというのは、好きでもないことをただ仕事として淡々とこなすことよりも、何十倍もキツイです。
好きなことをするということは、一番大切なことを仕事にするのだから、失敗した時のショックや成し遂げられない時の失望感は相当なものです。
趣味でリフレッシュなんてありません。
ということです。
一番大好きな趣味である音楽を仕事にしてしまうのだから「仕事のストレスを趣味で発散...」みたいな逃げ方が出来ないのでとても苦しいです。(音楽以外に趣味があってそれでリフレッシュできる人はラッキーです)
けれどライブやレコーディングで自分の演奏をオーディエンスに届けることが出来た時、そんな苦しみはどこかへ飛んで行ってしまいます。その喜びがあるから他のしんどい時間に耐えられると言っても過言ではありません。
ブログを読んで「音楽業界って大変そうだなぁ。自分にはちょっと難しいかもなぁ」と思った人はいたって正常な思考能力を持った人です。常識人です。音楽は趣味として続けられるといいと思います。
もしこれだけ厳しい現実を知ってもなお「いや、俺は絶対プロでやっていく」と躊躇なく言い切れる人はプロを目指してみるのもいいかも知れません。
最後に一点これだけは言っておきますが...
いわゆる“ミュージシャン”が楽器演奏だけをやって食えていた時代はとっくの昔に終わりを告げています。あれこれ出来て当たり前の時代なので、自分の身を守るための武器(楽器演奏以外のスキル)は一つでも多く持つようにしてください。