好きなドラマー(23) ~Mike Mangini~
変態系の3人目です(笑)。
Mike Mangini(マイク・マンジーニ)
「世界一シングルストロークが速い人(※)」として有名なマイクさん。いまではDream Theaterのドラマーとして定着しすっかりビッグネームの仲間入りをしました。
※公式記録としてはマイクの記録は抜かれてしまいましたが、非公式記録としては彼の「1分間に1247発」という記録は破られていません。
今回好きなドラマーとしてマイク・マンジーニを取り上げていますが、正確にいうとDream Theater加入後の彼が好きです。
それまでも彼の演奏は動画で散々見ていましたが、「すごいなー」くらいで「好き」というところまではいきませんでした。
けれどDream Theaterに加入したことで彼の良さが完全に開花しましたね。(すっげー偉そうな上から目線www)やっと彼のポテンシャルを100%活かせる我が家を見つけたという気がします。
マイクはヴァージルやマルコのように自分がアーティストとしてプロジェクトを立ち上げて引っ張っていくタイプではありません。リーダーがいて、バンドの中で輝くタイプ。
だから定住できる家が必要だったんです。
そういう意味ではDT以上の家はないですね。今後もDTで是非頑張ってほしいと思います。来日したらまた見に行こうっと。
さてテクニック面の解説ですが...
グリップはマッチドのジャーマングリップ。そこから繰り出される超高速ストロークが彼の持ち味。そのスピードはすさまじく、あまりに速すぎるのでコピーがまったくできません(笑)。
モーラー的なしなやかな動きは使いません。ストレートな腕の動きがメインです。
叩くフレーズは複雑なだけでなくかなりきつい移動を伴うものが多く、DT加入後は頭上にキャノンタムをセットして、それを移動フレーズに組み込んだりしてくるもんだからもう手がつけられません。
さらに四肢を組み合わせた超絶複雑なパターンやフレーズが十八番ですね。左半身で一定のリズムを刻み、右半身で別のフレーズを叩くとかライブのドラムソロでよくやりますね。
テクニック面でも十分ユニークなマイクさんですが、もっともユニークな点はそのセッティング。
完全左右両利きセッティングです。
これ、ドラマー以外にすごさがわかるかなぁ...。野球で例えたら右投げも左投げも右打ちも左打ちも全部できるメジャーリーガーみたいな感じです(余計わからないかwww)。
上半身だけ左右両利きという人はいます。けれど足まで含めて完全に左右両利きで叩ける人は今のところ彼以外に見たことがありません。
右手リード、左手リード、右足リード、左足リード、どの組み合わせで叩いても完璧なリズムを叩き出すので、曲中で切り替えても聴いているこちらはまったく気が付きません。
どれほど気の遠くなるような練習を積み重ねたらこれほどまでに技術を高められるのでしょう。
以前インタビューを読んだ際に「曲調に合わせて左右を叩き分けている」と言っていたので彼にとっては左右両利きプレイも音楽的に必要だからやっているという感じなのでしょうけどね。
とにかくすごすぎて手がつけられないマイク・マンジーニさん。これからの活躍にも期待してます。
■追記
Dream Theaterは以前から好きなバンドだったのだけれどドラムだけがどうにも好きになれませんでした。マイク・ポートノイのあのラフな感じがDTの緻密な音楽と合わない気がして。
もちろんポートノイはDTのリーダー的存在でDTをあれほどビッグにした立役者ではありますが、テクニック面でもっとグッとくるドラマーがよかったのです。
そんな時マイク・マンジーニが加入してくれたので私としては今がベストメンバーです。
DTのドラマーオーディションでDTのメンバーが重視したのはプレイのクオリティも去ることながらDTファミリーになれるかということ。他のプロジェクトよりもなによりもDTの活動がメインになるけれどそれでいいのか、ということ。
ヴァージルもマルコもプレイヤーとしては文句なしでしたがソロ指向が強いので、そこがDT加入に至らなかった部分はあると思います。
一方マイク・マンジーニは定住できる我が家を求めていて、このオーディションにかける思いは他の誰よりも強かったと思います。「もう受からなかったら海に飛び込むよ」くらいなことをインタビューで言っていましたからね。
だからプレイだけでなく思いの強さがDT加入につながったのでしょうね。