20歳過ぎればただの人
先日ある人の演奏動画を見てショックを受けました。
悪い意味でのショックです。
その人は子供の頃からものすごい演奏をしていて、私でもまったく歯が立たないような難しい演奏をラクラクキメてしまうような、いわゆる天才少年でした。
「こりゃ将来どんなすごいモンスターになるのだろう」と密かに楽しみにしていたのです。
ところが...
年月は残酷なものですね。
あれから数年経って
ただ上手いだけの人
になってしまっていました。
そりゃあの年代の人にしては確かに上手いですよ。
でも伝わってくるのは技術的な上手さだけで全然心に響いてくるものがありません。なんだろう、いわゆる手打ちというやつです。腰が入っていないというか、体幹からリズムを生み出していない感じ。
だから感情が伝わって来ない。
熱いものを感じられない。
ただただ手足を動かして音を鳴らしているだけに見えてしまう非常にもったいない演奏。
動画についたコメントも「上手いけどハートが全然ない」でした。(海外の人のコメントです)そのコメントを付けた人の気持ち、わかります。だって本当にその通りなんだから。
どうしたんだろう。
彼に何が起こったんだろう。
というか彼自身は今の自分のドラムをどう思っているんだろう。「今の俺、最高にイケてるぜ」と思っているのだとしたらちょっとこの先も心配です。
川口千里さんのように小さい頃からすさまじく上手くてそのまま大人になってもすばらしいドラマーとして活躍できる人というのはやはり少数なのかもしれません。
「20歳過ぎたらただの人」なんてフレーズがありますが、彼にはこのまま埋もれてほしくないなぁ。(余計なお世話でしょうけど)
どこかで化けてくれることを願っています。
あれだけの才能がこのまま埋もれるのは惜しい...