良いドラマーになるためのブログ

【プロドラマー・ドラム講師たいこもちのブログ ドラムネタは意外と少ないかも】

taikomochi流 ドラム譜の書き方1

ドラムの譜面はピアノの譜面ほど世界に統一規格があるわけではなく、基本部分は同じでも細かいところは結構違ったりします。

ですので(他人に提供する譜面ならともかく)自分用に書く譜面はある程度自己流で構いません。ただあまりにも譜面の基本ルールを無視した書き方に慣れてしまうと後々他人が書いた譜面を読む時に困るので最低限のルールは守るようにしておきましょう。

以下に私が音源を聴いてドラム譜面を作成する際の注意点や工夫をまとめてみました。


■絶対に守らなければいけない点

音価は絶対に守ってください。要するに「拍子」と「書いてある音符(休符)の長さの合計」が合っていること。4/4拍子なのに4分音符が5つ出てきたりする人がたまにいますが(笑)そういうのはダメです。いくら自己流とは言えここは絶対に合っていなければいけません。

あと他人に渡す譜面はなるべくきれいに書いてください。時々呪文のような譜面を渡されることがありますが、そういう譜面の場合まずリハの最初で解読から始めないといけないので(笑)とっても大変なんです。時間の無駄にもなります。お気を付け下さい。


■表記上の『自分ルール』

ドラム譜面はヘ音記号を使用します。ただピアノなどの楽器ほど厳密ではないのでヘ音記号を忘れたからと言って演奏に支障は出ません。私は自分用の譜面では付けないか、付けるとしても最初の段だけですね。全ての段に律儀に記号を付けられると逆にウザいです^^

音符を置く位置ですが

バスドラム(第一間)
スネア(第三間)
ハイハット(上第一間)

あたりはほぼ世界共通ですので私もこの三つは所定の位置に音符を書くようにしています。(第一間って?という人は譜面に関してググッてください)

ただライドの表記などになるともう教則本によっても表記がバラバラになります。

私はハイハットは「×」でクラッシュは「×」を○で囲んで表記します。ライドはハイハットと同じく「×」で書き、欄外に「Ride」と書くだけにしています。下線を付ける人もいますが×の個数が増えると下線を引く作業も結構な労力になりますので私はやりません。

タムの位置は厳密には決まっていませんがハイタムはスネアの上、ミッドタムはスネアの下、フロアタムはバスドラムの上あたりの収めておくと叩く際に音符の位置でイメージが出来て良いと思います。

私はタムを絡めたフィルなどでは「たま(符頭)」を付けずに符割りだけが分かるように棒だけで書くことが多いです。タムを厳密に音程まで突き詰め過ぎると譜面を書く時間が極端に長くなってしまいます。例えば「だいたい上から下の方に流れるフレーズ」ということが分かればあとは符割り情報だけで十分です。

8ビートのハイハットを表記する場合2拍分(8分音符4発分)でひとかたまりにします。1拍分ごとにまとめる人もいますが私は見にくいのでこの表記方法は使いません。

休符の表記は最小限に留めておきます。あまり律儀に休符を書きこみ過ぎるとゴチャゴチャして見にくくなります。


■書く際の工夫1 ~情報は最小限に~

実際に私が譜面を書く場合の工夫についてご説明します。なおこれはあくまで自分の流儀なので真似してもいいですし各自やりやすいように変えて構いません。

まず譜面を書く場合は市販の譜面のように全ての小節にぎっしり音符を書くようなことはしません。

ドラムは同じパターンが続くことが多いので最初の小節だけを書いたら、あとの小節は白いままにしておくことが多いです。(「・/・」のような繰り返し記号を書く場合もあります)

そしてシンバルのアクセントが入るところとかバスドラムパターンがそこだけ変わるなど、変化があるところだけを記入します。

またフレーズは事細かに書くことはせずアクセントだけを表記するようにします。

フィルインについては「FILL」と書くだけです。どうしても原曲通りのフィルを叩いた方がいい時はある程度厳密に譜面に起こしますがタムなどは「たま(符頭)」を付けずに符割りだけ書きます(上記『自分ルール』に書いた通り)。

このように目から入る情報を極力減らすことによって音楽により集中することが出来るようになります。譜面に強い人は譜面を読みながら同時に音楽にも集中出来るようですが、私はそこまで強くはないので出来る限り譜面はシンプルにします。


■書く際の工夫2 ~リピートどダルセーニョ~

リピートとダルセーニョを上手く使いこなせると譜面をシンプルでかつ読みやすいものに仕上げることが出来ます。(※リピートやダルセーニョについて分からない方はググッて調べてください)

下記のような曲があったとします。

・曲の構成例
イントロ
1A
1B
1サビ
Inter
2A
2B
2サビ
間奏(ソロ)
3サビ
3サビ'
エンディング

この曲の場合Interから2Aに戻る時にリピートを使います。2A~2サビまでは1A~1サビの譜面を流用出来るのでその分紙面を節約できます。

さらに間奏終わりでダルセーニョしてサビに戻るようにすれば3サビの部分も1サビ、2サビの譜面を流用出来、紙面を節約できます。

ちなみに3サビと3サビ'が全く同じことを繰り返す場合は3サビで「bis」という記号を使ったりして3サビ’を省略することもあります。(bisについても調べてみてください)

最後にサビからエンディングに飛ぶ時は「コーダ」という記号を使って飛ぶようにします。

このようにして記号を効率良く使うことにより紙面を節約し、視線の移動距離を小さくし、読みやすい譜面に仕上げることが出来るようになります。

(『taikomochi流 ドラム譜の書き方2』につづく)