みんな苦しんでる
憧れのミュージシャンを見ていると、すごく楽そうに心地よさそうに演奏していて、毎回四苦八苦して曲と格闘している自分とはまったく別次元の存在に思えてきます。
でも実際演奏しているご本人に聞いてみたら「全然楽じゃない」「めちゃくちゃ緊張した」とか言われて「え?意外」と思ったことが一度や二度ではありません。
佐藤直紀さんという超一流の作曲家さんがいます。プリキュアとか暗殺教室とかその他有名アニメやドラマの劇伴を多数手がけている方です。私の憧れの存在でもあります。
その佐藤さんが自宅スタジオ(本人は「スタジオ」を呼びたくないそうです)について語っている記事を友人がFacebookでシェアしていたので読みました。
で、私が注目したのはスタジオに関する部分ではなくてこっち。「良い曲は降ってきますか?」という質問に対する答え。
降ってきませんよ! すんなり書けることは一回もなくて、今回こそ書けないかもと思い、締め切りに間に合わないと思いながらギリギリで出来上がる奇跡の連続なのです。一ヶ月に30〜40曲作る必要があるので、風呂入りながら鼻歌で作るとか、散歩しながらドライブしながらなんてことは全くなくて、机に向かって1日1曲以上必要ですから必死に絞り出すのです。
超意外でした。佐藤さんほどのキャリアがあればある程度作曲のコツみたいなものも当然お持ちのはずなんです。けれどそんな佐藤さんでも毎回苦しみ抜いて「もうダメかも知れない」という気持ちと戦いながら曲を書いているなんて...。
佐藤さんはプロとして仕事として請け負っているので当然締切があり、最低限クリアしなければならないクオリティがあり、クライアントからの要望に応える責任があります。そんな制約の中で戦ってらっしゃる。
自分が「あ〜、曲が書けねー」とかほざいているのが恥ずかしくなりました。
サイキックラバーのボーカルのYOFFYさんもそうですね。
※イベントで何度もバックで演奏しました。彼らが歌うデカレンジャーの曲は今でも譜面無しで叩けるくらい大好きです。
TwitterでYOFFYさんをフォローしているのですが、ちょくちょく見かけるのが
悶絶作曲(作詞)タイム
という言葉。
YOFFYさんも作品を何十曲も世に出している方ですが、それでもやはり苦しみながら戦いながら作品を生み出しているのですね。やっぱりみんなそうやってギリギリまで自分を追い込んでやってるんだなー。
もちろん中には鼻歌交じりに良い曲がポンポン書けてしまう天才もいるとは思うんですよ。でもほとんどの人はこうして地道な創作活動を歯を食いしばりながら続けているのだと思います。
「自分には才能がない」「センスがない」と答えを出す前に、本当に自分を追い込んでこれだけやってダメなら悔いはないというレベルまでやり込まなければダメなんですよね。でないとジジイになったときに絶対に後悔する。
だから今日も頑張ります。