良いドラマーになるためのブログ

【プロドラマー・ドラム講師たいこもちのブログ ドラムネタは意外と少ないかも】

思うところ

大阪で起きた『体罰を苦に学生が自殺してしまった(と報道されている)件』について、とりとめのない文章を書きます。


自分の中でも明確な答えは出ていません。


体罰は是か非か
ネットでもいろいろな意見が出ていますね。


体罰はどんな小さなものであっても絶対にダメ
程度による
愛があれば良い
こんな程度体罰のうちに入らない。俺らが若かったころは…

などなど。


自分の中では

体罰は出来れば無い方が良いが、時と場合によってはやむを得ない

と思っています。現在も育児中ですが場合によっては子供を叩くこともあります。ただし、程度によるし、根底には愛が無ければいけないと思っています。


■どこからが体罰
グーで殴られてもケロッとしている人間もいるし、ちょっと頭をコツンとやられたくらいでショックで不登校になる人間もいます。


以前ジャンクスポーツという番組で女子バレーボールの代表選手が「監督に体育館の端から端までずっとビンタされ続けた」というエピソードを笑いながら話していました。国民栄誉賞をもらった吉田沙保里選手がコーチに髪の毛つかまれて引きずり倒されているのを見たことがあります。(あのレベルになるとどう見ても体罰という内容でも『指導』になってしまうのですね。恐れ入ります)


要するに体罰を受ける当事者の置かれた環境やメンタル面が深く関わることなので明確に「ここからが体罰」と線引きすることは出来ないでしょう。


私は体罰を与える場合はその『程度』には非常に気を遣います。後遺症が残ったり、心に深く傷を残すようなやり方は論外。とは言え一定の痛みを感じるものでなければ本人への戒めにはならないのでその辺の見極めは本当に難しいです。こちらも人間なので常に子供を叱った後に「あれで本当によかったのかな」と自問自答する毎日です。



■指導者の責任は
今回の件、自殺という形ではありますが結果として一人の人間が命を落としたのだからこの指導者の過失はゼロではないとは思います。体罰の是非も含めてこの教諭の指導方法・内容が問われるべきではあるでしょう。


ただ、マスコミが報道するようにこの指導者に一方的に非があったために起きた悲劇とは現時点では考えていません。


どんな出来事にもそこに至るまでに様々なプロセスがあります。深く掘り下げていくと当初は思いもしなかった事実が浮かび上がってくることがあります。


ですがマスコミは一般大衆が飛びつきやすいストーリーを好みます。今は「度を超えた体罰を振るう暴力教師が招いた悲劇」というストーリーで話を進めるようですが、私は安易にその路線に乗りたくありません。


参考までにこういった文章を長いですが引用します。
桜宮高校バスケ部のOBの方の書いたものだそうです。


桜宮高校バスケ部の件が連日朝から晩まで報道されているが、あまりにもでたらめな報道が多すぎる。

亡くなった生徒の母親は顧問の先生に対して「先生だけを責めていませんから、先生も自分を追い詰めないでください」と葬儀の席でおっしゃたことが、「息子の顔を見てくさい、これは体罰ですか?」と。

そして、生徒が先生にあてた手紙をあたかも遺書のように伝えられていますが、あの手紙もお母様が、「キャプテンを辞めたいというような旨を言葉でうまく表現できないんやったら、手紙にして渡してみたら?」と書かせたものだという事実をどれだけの人が知っているのか?

その上で、これもマスコミには一切取り上げられていない話ですが、この生徒と顧問の先生の間でこれまで何度も「辛かったらキャプテン辞めるか?無理せんでええねんで、どうする?」というやり取りはあったそうです。(部員証言)そして生徒は「もう一度みんなのためにも頑張ってみます。」 こうゆうやり取りが、これまでに2,3回あったそうです。

先生が何も考えず、ただミスをしたから叩いた。それも事実ですが、きちんとフォローや励まし、言葉かけ、チームでのミーティングなどは行われていたそうです。

亡くなる2日前にも、次の大きな大会に向けて、皆で頑張ろう!と団結した矢先だった とか・・・。
なので、チームメイトとしては皆「なぜ?」の言葉ばかりだそうです。先生は「あいつの頑張るは精一杯の頑張るやったんや、その繊細な気持ちをくみ取ってやれなかった。」と。

私が言いたいことは、マスコミは体罰で生徒が自殺という内容にあれこれ色をつければ盛り上がると考えているのかもしれませんが、事実だけを伝え、また伝えるのであれば、先生だけを悪者にしたてる(これは簡単かもしれない)だけでなく、このクラブ内での本当の生徒たちの気持ちもきちんと知ったうえで報道すべきだということです。

引用終わり。


この文章も私は鵜呑みにして頭から信じることはしません。けれどこういう事実も実は裏にあるのではないか、という想像力を働かせて今回の問題を考えることも必要なのではないかと思います。


報道されている内容だけで一方的に断罪して「こんな教師死ねばいいんだよ」と軽率な発言をするのは控えたいものです。


■なぜ自殺したのか
私にとっての大きな疑問は、この生徒がどうして自殺という手段を選択してしまったのか、ということ。今となってはその本当の理由は我々は知るすべがありません。それだけ責任感の強い子だったのかもしれません。


いずれにせよ若い人が自ら命を絶つというのは本当に悲しいことだし社会の大きな損失です。今後同じような悲劇が繰り返されないで欲しいと願います。


というわけで何の結論も出ない自分の思いだけを書き連ねた文章でした。
思い悩んだ記録として書き記したいと思います。