今話題の某杉並区議の発言
一抹の忸怩なき待機親に一抹の疑義あり
認可保育所に4月から子供を入所させようと申し込みながら、「入れない」と通知された杉並区の母親らが18日・19日、杉並区役所前で抗議集会を開いた。19日の東京新聞は次のように伝える。
「『子どもを持つなということか』。
『大きなおなかを抱えた臨月から、
10カ月の子どもの母親はマイクを握り、『保活』
これほどの保活の厳しさを知らない人も多い。
1歳3カ月の長女を持つ女性は『
6カ月の長女がいる女性は、老老介護する父母を支えるため、
妊娠中から申し込んだ5カ所の認可外施設もすべて断られた。『
抗議集会を企画した『保育園ふやし隊@杉並』
(ここから区議の発言)
待機児童問題、というよりも本質的には「待機親問題」
そんな私からすれば、正直な話、
私は、今のこの不況を本質的に打破するためにも、
アジテーションが悪いと言っているのではない。
(引用終わり)
そりゃ炎上するわ(笑)。
子供は親が家で育てるもの
と言う部分については私も賛成です。
ただ、父が働き母が専業主婦として子供の面倒をほとんど家で見ることが大多数の家庭で出来た時代はかなり昔に終わっています。
今の時代、経済的に厳しい共働き世帯や片親の家庭では育児の何割かを保育園のサポートに委ねなければやっていけません。
そういった「やむを得ず行政のサポートを受けている」or「受けたいと考えている」人達に対し、子供を持ったことも無く育児経験も無い人間が
最低限の物質的・精神的備え、つまりは経済力だとか人間力だとか、そういう準備も覚悟もなしに子供というものは易々と持つべきではない、持つ資格がない
と切り捨て
未熟者
と批判し
最初から子育てを社会に押し付けるな
と上から目線で言えば反感を買うのも無理はありません。
家庭で全部面倒見たいのは山々だけど、それが出来ないから苦労してるんじゃねーか。うちらみたいな人間は子供を持つなということか!
と悔しい思いをした人も多いのではないでしょうか。私自身この議員さんの文を
読んでかなり気分が悪くなりました。
今問題になっているのは「働きながら子育てしたいのに保育園の数が足りないからどうにかして」という話です。
なぜそこで「社会に育児を押し付けるな」みたいな極端な話になるのでしょうか。育児を全部丸投げするなどということは誰も言っていません。「働くためには認可保育所が足りないので増やして」と言っているだけです。
この議員さんだって「不況を打破するために女性の力が必要だ」と言っています。だったら保育園を増やすことに異論はないはずなのですが、なぜか入所を求める親達の批判ばかりを述べ制度の不備などについては一言も言及しないのが理解できません。
確かにママさんの中には左翼的な思想から「育児を社会がするのが当然」「社会が子供を育てる」という発言をする人もいるようで、私もこういった考えには賛同しません。
ただ、大多数の普通の親達が子供を預けられなくて働けず困っているという事実がある以上、政治家としてやることはまずはこの現状を打破するために動くことではないのでしょうか。
自分の選挙区の有権者が苦しんでいるのに「子供を持つ資格がない」「未熟者」と批判した挙句、
私が親なら(中略)待機児解消のためあらゆる施策を講ずべき旨、区に陳情書でもしたためるだろう(キリッ
などというのは当事者意識の欠如した人間の呑気な戯言に過ぎません。
子供を預けられないということはパパかママのどちらかが働けない状態なので、非常に生活が苦しいわけです。陳情書したためてボケーッと待っていられる余裕なんかないのです。だからこそ役所の前で切実に訴える行動に出たわけで。
繰り返しますけど中にはそういう運動自体が目的の思想の持ち主や団体も混ざってはいると思います。けれど本当に保育園に子供を預けれらないと生活が厳しい待ったなしの人もいるんですよ。
「そんな切羽詰まった状況で子供を持つ方がおかしい」というのがこの議員さんの主張なのであれば、次回の選挙の時には是非そこを大いにアピールして当選してください。
今の時代「保育園に子供を預けることが前提の子育て」は既に常識になっています。良し悪しは別としてもそれが現実です。
もし保育園というものがなかったら共働きの世帯のうち相当数が子供を持つことを諦めることになるでしょう。もしくは持つ子供の人数をより少なく抑える選択を取らざるを得ないでしょう。これは少子化のスピードを少しでも遅らせたい日本にとって大きな損失です。
働きながら安心して子育てが出来る社会を実現するためにも保育園の拡充は必須だと思います。待機児童が限りなくゼロに近づくように行政には頑張って欲しいです。
ちなみにうちはデキ婚なのでこの議員さんに言わせれば資格無しの未熟者の親ということになりますが(笑)、頑張って育児をやっています。
三人の子供はみな保育園にお世話になりとても元気な良い子に育っています。経済的に楽ではありませんが行政のサポートがあるおかげでなんとか暮らせています。
もし保育園に子供を預かってもらえなかったら、この何倍も苦労したことでしょう。だから入所が決まらないご家庭のことは他人事とは思えないのです。
つい熱く語ってしまいました^^