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今話題の某杉並区議の発言

一抹の忸怩なき待機親に一抹の疑義あり
 
認可保育所に4月から子供を入所させようと申し込みながら、「入れない」と通知された杉並区の母親らが18日・19日、杉並区役所前で抗議集会を開いた。19日の東京新聞は次のように伝える。


「『子どもを持つなということか』。東京都杉並区役所前で18日、赤ちゃんを連れた母親らが、我慢してきたつらい気持ちを涙ながらに吐き出した。妊娠中から保育所探しに歩き回り、育児休暇中も不安にさいなまれた揚げ句、預け先が見つからない。『認可保育所を増やしてほしい。現状のおかしさに気付いて』と訴えた。待機児童の多い都市部共通の、母の願いだ。(柏崎智子、小形佳奈)

『大きなおなかを抱えた臨月から、保育園を回らなければならなかった。インターネットで区の保育事情を検索し、何日も不安で眠れなかった。貴重な育児休業中、何をしていても保育園の心配がついてまわり、本当に苦しかった。こんな目に遭うなんて知らない妊婦さんは、今も大勢いるんじゃないか』

10カ月の子どもの母親はマイクを握り、『保活』とも呼ばれる保育所探しのつらい経験を振り返った。認可保育所の入所の競争率が異常に高いため、母親らは子どもが産まれる前から認可外保育施設を訪ね歩いて申し込む。育児休業を早めに切り上げて認可外施設に入れ、認可保育所に入るための点数を稼ぐ人もいる。

これほどの保活の厳しさを知らない人も多い。杉並区の公式な待機児童数は、昨年4月1日現在で52人で、都内の他の自治体に比べて特に多くない。この数字には認可保育所を希望しながら認可外施設に入って空き待ちをしている子どもや、預け先がなくて仕事を辞めてしまったケースは含まれないためだ。潜在的な待機児童の状況が分かりにくくなっている。

1歳3カ月の長女を持つ女性は『子どもが生まれた時はとても幸せで、職場復帰するまで楽しく過ごそうと思った』が、半年後、保育所の入りづらさを知ったという。あわてて何カ所も保育所回りをしたが、入れるところがなく、認可保育所も落ちてしまった。

6カ月の長女がいる女性は、老老介護する父母を支えるため、出産後まもなく実家のある杉並区へ引っ越してきた。これが認可保育所の入所にマイナスに働いた。『『両親が近くにいると入所の優先度が下がる』と今日、区の窓口で知らされた』

妊娠中から申し込んだ5カ所の認可外施設もすべて断られた。『あまりに長い不安の期間を過ごした上に全滅で、ショックが大きい』と声を震わせた。子どもが2人で、上の子の預け先がないという母親は『この数日間、眠れない。お母さんの精神状態が悪いと子どもの笑顔もなくなる』としゃくり上げた。

抗議集会を企画した『保育園ふやし隊@杉並』の曽山恵理子さんは『保育園が足りないと泣いているだけの状況はそろそろ終わりにしたい。できることを考え、一緒に行動しよう』と呼び掛けた。」


(ここから区議の発言)
待機児童問題、というよりも本質的には「待機親問題」
なので以下待機親という言葉を使うことにするが、待機親の辛さは想像できる。想像できるというのは、私はまだ親ではないので実体験がないからだ。子供というものは、基本的には親が家で育てるものだと思ってきた。最低限の物質的・精神的備え、つまりは経済力だとか人間力だとか、そういう準備も覚悟もなしに子供というものは易々と持つべきではない、持つ資格がないと自分自身に言い聞かせてきた。よく、その歳(現在37歳)まで独り身でいるとはどういうことかとお叱り気味に言われることがあるが、私に言わせれば、もしも結婚した時、果たして本当に妻や子供を幸せにできるか、その自信を持つのに人によって多少の時間はかかるのである。四十にして惑わずと言うではないか。

そんな私からすれば、正直な話、よくもまあ貴君のような未熟者が結婚したなあ、子供まで授かったなあと驚き呆れるような知り合いも少なくない。ましてや、もしも本当に先の東京新聞が伝えるごとく、「子供を持つなということか」などとまで開き直る待機親があるとすれば、私はそういう親にひとつ問いたい、「ならば最初から社会でお宅の子供の面倒を見ろということか」と。

私は、今のこの不況を本質的に打破するためにも、女性力を思い切って爆発させることは必要だと考えている。仕事と子育てを真に両立できる社会を創らねばならないと強く願っている。だが、それゆえにこそ、「子育ては本来は家庭で行うもの」という基本中の基本を忘れるべきではないと痛感する。一抹の遠慮も忸怩の念もなく、声高に居丈高に「子供を持つなということか」「現状のおかしさに気付いて」などと世を恨むかのような態度は、それこそどこかおかしい、どこか的を外している。「お願いです。私達の子育てをどうか手伝って下さい」、これが待機親に求められる人としてのマナー、エチケットというものではなかろうか。この寒空の下、泣き叫ぶ赤ん坊を片手に区庁舎前でマイクを握るのも結構だが、もしも私が親ならそんな残酷なことはしたくない。家で子供に暖を取らせつつ、待機児解消のためあらゆる施策を講ずべき旨、区に陳情書でもしたためるであろう。

アジテーションが悪いと言っているのではない。最初から子育てを社会に押し付けるな、大人の都合に子供を巻き込むな、そう言っているのである。

(引用終わり)

ま、元が東京新聞の記事なので若干お涙頂戴系の文章になっていることを差し引いても、この議員さんの文章の書き方では




そりゃ炎上するわ(笑)




子供は親が家で育てるもの


と言う部分については私も賛成です。


ただ、父が働き母が専業主婦として子供の面倒をほとんど家で見ることが大多数の家庭で出来た時代はかなり昔に終わっています。


今の時代、経済的に厳しい共働き世帯や片親の家庭では育児の何割かを保育園のサポートに委ねなければやっていけません。


そういった「やむを得ず行政のサポートを受けている」or「受けたいと考えている」人達に対し、子供を持ったことも無く育児経験も無い人間が


最低限の物質的・精神的備え、つまりは経済力だとか人間力だとか、そういう準備も覚悟もなしに子供というものは易々と持つべきではない、持つ資格がない

と切り捨て


未熟者


と批判し


最初から子育てを社会に押し付けるな


と上から目線で言えば反感を買うのも無理はありません。


家庭で全部面倒見たいのは山々だけど、それが出来ないから苦労してるんじゃねーか。うちらみたいな人間は子供を持つなということか!


と悔しい思いをした人も多いのではないでしょうか。私自身この議員さんの文を
読んでかなり気分が悪くなりました。


今問題になっているのは「働きながら子育てしたいのに保育園の数が足りないからどうにかして」という話です。


なぜそこで「社会に育児を押し付けるな」みたいな極端な話になるのでしょうか。育児を全部丸投げするなどということは誰も言っていません。「働くためには認可保育所が足りないので増やして」と言っているだけです。


この議員さんだって「不況を打破するために女性の力が必要だ」と言っています。だったら保育園を増やすことに異論はないはずなのですが、なぜか入所を求める親達の批判ばかりを述べ制度の不備などについては一言も言及しないのが理解できません。


確かにママさんの中には左翼的な思想から「育児を社会がするのが当然」「社会が子供を育てる」という発言をする人もいるようで、私もこういった考えには賛同しません。


ただ、大多数の普通の親達が子供を預けられなくて働けず困っているという事実がある以上、政治家としてやることはまずはこの現状を打破するために動くことではないのでしょうか。


自分の選挙区の有権者が苦しんでいるのに「子供を持つ資格がない」「未熟者」と批判した挙句、


私が親なら(中略)待機児解消のためあらゆる施策を講ずべき旨、区に陳情書でもしたためるだろう(キリッ

などというのは当事者意識の欠如した人間の呑気な戯言に過ぎません。


子供を預けられないということはパパかママのどちらかが働けない状態なので、非常に生活が苦しいわけです。陳情書したためてボケーッと待っていられる余裕なんかないのです。だからこそ役所の前で切実に訴える行動に出たわけで。


繰り返しますけど中にはそういう運動自体が目的の思想の持ち主や団体も混ざってはいると思います。けれど本当に保育園に子供を預けれらないと生活が厳しい待ったなしの人もいるんですよ。


「そんな切羽詰まった状況で子供を持つ方がおかしい」というのがこの議員さんの主張なのであれば、次回の選挙の時には是非そこを大いにアピールして当選してください。


今の時代「保育園に子供を預けることが前提の子育て」は既に常識になっています。良し悪しは別としてもそれが現実です。


もし保育園というものがなかったら共働きの世帯のうち相当数が子供を持つことを諦めることになるでしょう。もしくは持つ子供の人数をより少なく抑える選択を取らざるを得ないでしょう。これは少子化のスピードを少しでも遅らせたい日本にとって大きな損失です。


働きながら安心して子育てが出来る社会を実現するためにも保育園の拡充は必須だと思います。待機児童が限りなくゼロに近づくように行政には頑張って欲しいです。


ちなみにうちはデキ婚なのでこの議員さんに言わせれば資格無しの未熟者の親ということになりますが(笑)、頑張って育児をやっています。


三人の子供はみな保育園にお世話になりとても元気な良い子に育っています。経済的に楽ではありませんが行政のサポートがあるおかげでなんとか暮らせています。


もし保育園に子供を預かってもらえなかったら、この何倍も苦労したことでしょう。だから入所が決まらないご家庭のことは他人事とは思えないのです。


つい熱く語ってしまいました^^