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【インタビュー】時代の寵児 西野亮廣が語る「組織運営の極意」とは

会員数一万人超を誇る日本最大級のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」。その巨大組織をまとめ上げ、巧みに舵取りをするカリスマサロンオーナー西野亮廣。数十から数百人規模の会員数でも運営に苦戦するサロンオーナーが続出する中、なぜ彼はこれほど大きな組織を混乱なく束ねられるのか。

その極意を聞いた。(インタビュアー:滝本裕)

 

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西野亮廣(にしのあきひろ)】1980年生まれ。お笑いコンビ『キングコング』のツッコミ担当。人気絶頂期の2000年代中盤に活動の軸足をテレビから抜き自由な発想を武器にさまざまなジャンルに挑戦する本当の意味での『芸人』となる。絵本「えんとつ町のプペル」は日本国内だけでなく海外でも販売され36万部を超える大ヒット。ビジネス書「革命のファンファーレ」も16万部を記録するベストセラーとなっている。作品作りに心血を注ぐ傍ら「ガリゲル(読売テレビ)」、「ニシノコンサル(AbemaTV)」など複数のレギュラー番組を持つ超多忙人間。好物はソバとハイボール日課はジョギング。
※写真は西野さんのブログより拝借いたしました。

 

「知らないものを知りたい」がずっと続いている


──オンラインサロン(西野亮廣エンタメ研究所)の会員数が一万人を超え、今も順調に増え続けています。
 
これほどの巨大組織ともなると普通はあちこちで軋轢が生まれて人間関係がぎくしゃくしてくるものですが、このサロンにおいてはそういった話をほとんど耳にしません。
 
かなりうまく組織が機能していると感じるのですが、組織運営に関して西野さんなりに心がけている点、気をつけている点を教えてください。

 

西野 完全なピラミッド型にしてしまうと人数が増えれば増えるほど距離が発生してしまうので、時間が許す限り、新規メンバーと呑みに行くようにしています。

その姿で、「ああ、西野は、まとめようとしてるんだなぁ。ちょっと手伝ってやるかぁ」と他のメンバーに思ってもらえればラッキーです。

 

──毎日へべれけになっている印象のある西野さんですが、飲み会にはそのような深い意味があったのですね(笑)
 
トップが一方的に引っ張るのではなく、トップがまず誰よりも汗をかいて動く姿を見せて、他のメンバーが自発的にそれのフォローに回るような体制というのは、とても素晴らしいのですが、これを実行するにはトップは相当の覚悟が必要です。
 
西野さんがあえてそういった労力や時間のかかる(と思われる)やり方を選んだのには何かきっかけのようなものはあったのでしょうか。

 

西野 数百人のコミュニティーのハンドリングの方法はもう分かったので、次は、数千、数万に挑戦してみようと。
 
そこにどんな問題があって、どんな解決策があるのかを知りたくなったのです。
 
子供の頃から「知らないものを知りたい」が、ずっと続いています(^^)

 

(セリフがいちいちさわやかでかっこいい。。。)
 
──比較的平和なサロンですがまれにゴタゴタすることもあります。そんなとき西野さんが登場してビシッと意見をいうと、場がスッとおさまります。そんな場面を何度か目にしてきました。
 
どうすればあのように高圧的でないやり方で乱れそうな場をうまくコントロールして収めることができるのでしょうか。西野さんはときに乱暴な言葉遣いもするのになぜか場が荒れない。それが不思議でなりません。 

 

西野 あー、ときどきありますね、それ(笑)

感情をオブラートに包むと、なんだか陰湿な雰囲気になるので、ムカついているときは、「ボクは今、◯◯の件でバチクソにムカついてます!」と正直に言うようにしています。

あとは、賢い人たちが上手くまとめてくださっている印象です。

いつもありがとうございます。助かってます。

 

──「感情に正直に」ですね。ただそれはTPOをわきまえないでただ真似すると大やけどすると思うので気をつけます^^
 
ところで、サロン内に数多くの部がありますが、正直どう活動を盛り上げていったらいいか戸惑っている部長さんもいると思います(私のことですw)
 
西野さんはサロンの会員を飽きさせないためにさまざまな仕掛けを用意していますが、西野さんがたとえば軽音楽部の部長なら部員を飽きさせないためにどんな風に部を運営していきますか。
 
※軽音楽部は相談部のようにネットだけで完結する部と違って実際に会って音を出すという行為が必要となるが、地方のメンバーは近くに部員がいないためにバンドが組めない。そういった人たちをどうフォローするか。あくまで軽音楽部を例に出しましたが、他の部でもきっと同じような悩みを抱えていると思うのでインタビューに便乗して相談してみました。
 

西野 まず、大前提として、数百人~数千人のコミュニティーを束ねるのって、メチャクチャ難しいですよね(笑) 

著名なサロンオーナーでも、ほとんどのオーナーが、そこに苦戦しているので。
 
大前提としては「普通は無理ですよ」なのですが、それだとアドバイスにならないので、一つ言えるとするなら、部長は「管理する」は二の次にして、「与えまくる」がイイと思います。
 
「回収はずっと先に予定しておいて(必ず後で回収することを前提にしておいて)、今は自分のコストを割きまくる」ですね(^^)
 
「これだけ与えてもらってるんだから、自分も何か…」と思ってもらい始めた時から、チームがまとまり、動き始めると思います。

 

──確かにあそこのサロンもあそこのサロンも苦戦してました^^
 
軽音楽部は現状700人超えですから、そんじょそこらのサロンより人数が多いわけで、言われてみれば、ろくに組織を束ねた経験のない自分がそんな大規模の組織を「管理」しようとしても、どだい無理な話でした。
 
「『西野サロン』の看板を背負っているからにはちゃんとやらねば」
 
みたいなプレッシャーがあって、できもしない管理をしようとしていたように思います。自分は何を部員たちに与えられるのかを今一度考えてみたいと思います。
 
これは他の部長さんたちにも大きなヒントになったのではないでしょうか。

 

西野 コミュニティ運営は、30人、100人、300人、1000人、5000人…の壁がありますね。これはもう試行錯誤を繰り返すしかねぇです。

「違う!」と思ったら、急ハンドルを切れる柔軟さも必要ですね。

 

──ちなみに西野さんは個人がオンラインサロンをやることをあまりおすすめしない、といったようなことを言っていたような記憶がありますが(※)、その真意はどこにあるのでしょうか。(うろ覚えですいません) 

 

西野 言いましたっけ? 言ったなら撤回します。 ごめんなさい。

オススメしないことはないのですが、基本的には、「サロン運営は難しすぎる」ので、やるからには、キチンとデザインした方がいいかもですね。

つーか、個人が運営できるサロンのプラットフォームを作りたくなってきました。

 

──あれ?違ったかな(西野さんに謝られてうろたえる)。結局強い人が勝つみたいな感じで発言していた人がいたような気がしたもので。サロンのプラットフォームはぜひお願いしますm(__)m

 

西野 あ!結局、強い人が勝ちます。 それは、間違いないっす。

 

──だからといって(弱い)個人は個人なりにサロンのやりようはある、ということでしょうか。

 

西野 ですね! 今の状態で、まともにやると「西野のサロンの方が安いし、情報量も、サポートも充実してね?」となるので、別競技を作った方がいいでしょうね。

 

──そのあたりも期待しています。 クラウドファンディングやるならシルクハットでやりたいし、サロンをやるなら西野さんのプラットフォームでやりたいです。

 

西野 ありがとうございます! ちょっと頑張ってみます!

 

 

「とりあえずやっちゃえ」で死にかけてシミュレーションする 

 

──これまで組織運営に関する質問をしてきましたが最後に一つだけ別角度の質問を。

西野さんの行動を見ていると「どうやったら、そんなことを思いつくの?」ということばかりなのですが、発想の源はなんでしょうか。

 

西野 アウトプットの量だと思います。 アウトプットの過程で、数百、数千の問題にブチ当たるので、ここを経験していると、していないのとでは、バチクソ差が出ると思います。 あと、「小魚をたくさん食べると賢くなる」って、母ちゃんが言ってました。

 

──うちの母ちゃんはネギ食べると頭良くなると言ってました(笑)

アウトプットとは具体的な行動という意味でしょうか。 作品を実際に作るとかイベントを実際に開催するとか。

 

西野 ですね。 実際に行動を起こしている時(アウトプットしている時)の方が、インプット量は多いっす。

 

──脳内のシミュレーションもしっかりやりますか。それとも「いいや、とりあえずやっちゃえ」という感じでしょうか。

 

西野 「いいや、とりあえずやっちゃえ」ですね。 そして、死にかけて、大急ぎでシミュレーションを開始します。

 

──西野さん、そんな人でしたっけ?(笑)

もっと脳内シミュレーションしてある程度緻密に組み立ててから実行に移す方だと思っていました。

さすがにこれだけ実績があると死にかける回数は減っていると思うのですが(これまでの経験があるので)、そうでもないのでしょうか。

 

西野 えんとつ町のプペル美術館の建設費用を1ケタ間違えたぐらいの男です(笑)

 

──間違いのスケールがデカすぎるw 成功の陰でいろいろやらかしていたんですね^^ 西野さんほどの実績のある人が、今でももがきながら転びながら挑戦を続けているのを見ると本当に勇気づけられます。

ちょっと前に「アニソン紅白歌合戦」という企画を考えて軽音楽部内で発表したもののビビって実行に移せずにいたのですが、やることに今決めました!

1月にやります!

 

西野 応援しています。

 

──今日は貴重なお時間をいただき、本当に本当にためになる話を聞かせて頂きありがとうございました。今後も西野さんの活動を応援し続けます!

 

※「個人がオンラインサロンをやることをあまりおすすめしない」ではなく、いそっぷさんのインタビュー記事内で西野さんが「個人的には、オンラインサロンオーナーはハードルが高すぎる」と発言されたものを滝本がうろ覚えであやふやな記憶のまま西野さんに投げかけてしまいました。慎んでお詫びいたします。

 

■インタビュー後記
頑張ってWebメディアの記事風に仕上げてみましたがいかがでしたでしょうか。

アニソン紅白歌合戦」のくだりは華麗にスルーされていましたね(笑)

「最後に一つだけ」と言いながら、結局いろいろ聞いてしましました^^

私の前にすでに複数の方が西野さんへのインタビュー記事をブログでアップしていたので少し角度を変えたインタビューにしたいと思い、日頃気になっていた組織運営についてインタビューしました。

ロンドンにいる西野さんとリアルタイムでつながって文字のやり取りをするのはとても新鮮な体験で終始ドキドキしました。

あとになって「あれを聞いておけばよかった」とか「もっとこういう聞き方をすればよかった」など、納得行かない点もあるのですが、みなさんに楽しく読んでいただけたらうれしいです。

 

最後に宣伝を。

 

西野亮廣エンタメ研究所 

salon.otogimachi.jp

日々、西野さんのめちゃめちゃ中身が濃くて面白い投稿が読めます。その内容とボリュームは素晴らしくてまとめれば間違いなく一冊の書籍になるレベル。それ以外にもイベントは多数あり、西野さんと直接会ったりお酒を飲んだりBBQしたりジョギングしたりもできます。月額料金は破格の1000円。

 

新著「新世界

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1500円
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「革命のファンファーレ」に続く西野さんのビジネス書。過去の作品の流れを踏襲しつつ、これまでビジネス書を読まなかった層に訴えかけるためあえて親しみやすい文体で書かれています。「はじめに」が無料公開されているのでぜひ読んでみてください。私はすでに5冊予約しましたw

 

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