クモ屋敷
我が家は古い二階建ての一軒家である。
近くに草ぼうぼうの空き地があるせいかはわからないが玄関や一階の窓からいろいろなムシが家の中に不法侵入してくる。
夏場はやはり蚊やゴキブリが多めに出没したがこれらは退治するアイテムも充実しているのでそれほど困らない。
で、扱いに困るのが
クモ。
こいつらは特に悪さをするわけではないのだが、やはり見た目がグロテスクであまり近寄りたい存在ではない。
サイズも中途半端で蚊や蟻くらい小さければ躊躇せずに殺せるのだが1cm弱という微妙な大きさが殺すのをためらわせる。
それにクモというものは一説には「ゴキブリのタマゴを食べてくれる良い虫である」(ホントかどうかは知らん)、なんてことも聞いた事があるのでますます殺すのをためらってしまう。
そもそもクモという虫自体、何か殺すのと思いとどまらせる雰囲気を持った虫なので結局殺せずに見逃すことになる。
そんなわけで我が家には常時数匹のクモが棲息していて今も部屋のどこかをとことこ歩いている。
この文章を書いている時もふすまの上を一匹のクモが軽快に歩いていた。
今しばらくはクモ達とこの微妙なスタンスを保ちつつ生活を続けて行く事にしよう。