出来る事からやる2
何かのボイトレ関係の本に書いてあったと記憶しているんですが
観客がボーカリストから受ける一番大きな影響は表情
なんだそうです。
目の前で歌っている歌手から伝わってくる悲しさや喜びは実は彼らの表情から伝わってくる部分がかなりの割合を占めているんですね。
というのが今回のマクラ。
で、ここからが本題。
元教え子のY君が専門学校の後輩たちのライブを見て辛口レビューを書いていました。
彼曰く
技術云々ではなくてもっと楽しそうに音楽をやれ、と。
私もアマチュアの人の演奏を散々見てきたので、彼らがどんな演奏をしたのかは見なくても分かるし、Y君の辛口なコメントの意味も分かります。
プロのミュージシャンでない彼らがプロの人達より歌や演奏がヘタクソなのは当たり前の話。
ヘタクソは演奏で聞かせるスキルなんて持ち合わせていないんだから、せめて演奏以外で観客にアピールできる自分の持ち味を前面に出して思いっきりパフォーマンスするしかない。
なのにそれすらやらず、うつむいて葬式みたいな表情で演奏をしている…
そりゃ、Y君もアタマに来るわけです。
わざわざ見に行った貴重な時間と交通費返せ、と(笑)。
ステージでライブをやるというのは「日頃練習している成果を人前で披露する」というピアノの発表会みたいなものとはちょっと違った意味合いを持ちます。
上手く言えませんが、
アーティストが最高のパフォーマンスをして、それを見た観客がまた盛り上がって相乗効果で会場が一体となってエネルギーを共有する
みたいな感じかな。
音楽のライブですから演奏はヘタよりは上手い方がもちろんいいんですけど、面白いものでヘタクソでも楽しそうに演奏されると見ている人もなんかちょっと笑顔になったりします。元気よく飛び跳ねたりされるとなんかこっちもウキウキしてきたりします。
逆に演奏の上手いバンドであっても表情が楽しげでないと見ているこちらはなんだか物足りなさを感じます。
ましてやヘタクソなバンドが無表情で棒立ちで演奏するのを見るのは…
地獄です(笑)。
Y君はその地獄を何度も見せられたんですよ。
そりゃ、怒るのも無理はないwww
学生クン達がライブ前にスタジオに入って一生懸命練習するのは分かります。ただ演奏のスキルは短期間で劇的に上達するものではありません。仮に劇的に上達したとしてもうつむいて演奏するのであれば見ている人の評価はそれほど良くなりません。
間近に迫ったライブで最高のパフォーマンスをしようと思うなら、演奏以外の部分にももっと目を向けてみるべきです。
冒頭に書いた通り表情というのは見ている人に非常に強いメッセージを発します。苦手フレーズを練習するのもいいですが、それと同じくらい鏡の前で笑顔の練習をしてみたらどうでしょうか。
棒立ちで演奏するのではなく、練習の時から曲に合わせて体を動かしながら演奏する癖を付けてみてはどうでしょうか。
こういうことは楽器のスキルの上達に比べればはるかに短期間で習得できるし、なにより見ている人の評価がそれで劇的にアップするのだったらやらない手は無いと思います。
前回のブログの小学生と同じです。
出来る事からやる!
ライブが間近に迫っている時に焦って練習をしたところで急に上手くなんかならないんだから、それ以外の簡単に取り組めることに時間を割いてみてください。
演奏は完璧だけど拍手パラパラのステージと、多少ミスしてもみんなから「すごい」「カッコいい」と言われるステージとどっちがやりたいんですか?
とりあえず
うつむかず
表情豊かに
曲に合わせて体を動かして
演奏する。
これだけで見ている人の評価は劇的にアップします。
間違いないので是非やってみて!
■追記
持ち上げておいて最後に奈落の底に叩き落としますが…
こんなこと(↑)はミュージシャン(アーティスト)を目指す人間なら出来て当たり前の話。
こんなレベルの低いことすら言われなければ出来ないような人間は
ましてや言われても出来ない人間は
プロには絶対になれません。
学校で楽しい思い出を作ったら、プロになるなんて妄想は捨ててまっとうに生きてください。
それが吉。