1拍目命
バーナード・パーディーとスティーブ・ガッドがたまたま同じことを言っていたのですが…
とにかく「1」が大事なのだと。
「1」とは1拍目。要するにビートの中で1拍目が一番大事ですよ、ということらしいです。
まぁ巨匠二人が言うんだから間違いないでしょう。
というわけで『1拍目命』を実践してみました。
まず「1」をしっかり打つためにその直前の4拍目のウラを強く意識するようにしました。ウラが決まればオモテが決まるってことで。
クリックを4分音符で鳴らしながら4拍目のウラだけに強い意識を置いてドラムを叩きます。パターンはシンプルな8ビート。
4拍目のウラをただボーっと感じるのではなく、一緒に声を出すといいでしょうね。「ア」でも「タ」でもいいので声を出して脳に4拍目のウラの位置を明確に意識させることは大事だと思います。
4拍目裏を感じたら1拍目をしっかり打ちます。1拍目は狙いにいくというより、4拍目のウラを感じた結果自然に打ててしまった感じに持って行けるといいと思います。
2拍目以降の残りの3拍はクリックに合わせる意識は捨てて自然の流れで体を動かして多少ズレても気にしない。とにかく「1」だけをしっかり打つ。
そんな感じでドラムを叩いてみました。
すると面白いもので4拍目のウラを感じて1拍目をしっかり打った結果、他の拍も安定して自然とクリックと合ってしまう状態が出来上がりました。
スタート地点(1拍目)がしっかりしているのでクリックともそうそうズレないんですね。
この状態をしばらく続けていたらクリックは鳴っているけれど「合わせに行く」という感覚からは完全に解き放たれて自分のプレイに集中できるようになりました。
私はこれを『自立したリズム』と呼んでいます。
あくまで自分のタイム感でドラムを叩いているけど走ったりモタったりせずクリックと喧嘩しない。ほんのわずかズレることがあっても自然の流れの中での出来事なのでクリックとの二人三脚関係が崩れることはない。
常にこの関係を保ってどんなパターンでもどんなテンポでも演奏できるのが理想的なのですが、まだまだそこまではいっていません。パターンによっては苦手意識が先に立って邪念が入ってしまうケースがあります。
以前から特定のパターンにおいてクリックが鳴っていると心地良く演奏出来ないことがありました。相当トラウマになっているらしくそのパターンを練習によって克服しようと必死になってやればやるほど潜在意識が引きずられてかえって苦手意識が刷り込まれてしまうという悪循環に陥っていました。
最悪の時期はその曲のことを想像しただけでも気分が悪くなるほどでした。
ですがこのリズムの取り方だと苦手パターンを叩いてもそれほど苦しい感じはありません。比較的楽にその理想の状態に持って行ける感触はあります。大得意というわけではありませんがクリックと自分の叩くビートの関係性はそれほど悪くない感じです。
まぁ、焦っても仕方ないのでこういったパターンは丁寧に一つ一つ攻略していくしかありませんが、長年苦しめられたパターンが攻略できそうな光明が見えてきただけでも大収穫です。
やってみていろいろと分かりましたが傾向としてはやはりシンプルで音数の少ないパターンの方が自分にとっては難しいですね。逆に常に16分音符が鳴っているようなパターンはウラを取りやすいので比較的楽です。
リズムが走る、モタるで悩んでいる方は大勢いると思います。
ですが教則本などを見てもただ「クリックに合わせて練習することが大切」とだけ書いてあって具体的にどうやるかについてはあまり触れられていなかったりします。
この『1拍目命』も練習課題としては面白いし効果的だと思いますので、クリックを聞きながら演奏することが苦手な方は是非やってみることをおすすめします。
あ〜、でもこんな苦労をせずにサラッとドラムを叩ける人がうらやましいな〜(笑)。