グリップの力加減
どんな楽器でもスポーツでも「リラックスして~」とアドバイスされますよね。
もちろんこれは四六時中力を抜けということではなく「無駄な力を抜いて」という意味ですが、リラックスすることは良いパフォーマンスを生み出すためには絶対に必要なことです。
とは言え初心者の人が「リラックスして」と言われてもどのくらいリラックスすればいいのかは正直分からないと思うんです。
というわけで今回はドラマーにとってのリラックスの一つの目安を教えたいと思います。
今回教えるのは「スティックを握る強さ」です。
どれくらいの強さで握ればいいのか、分からなくて困っている人もいるかと思います。もちろん個人差もありますし、求めるスタイルにもよりますし、その人の技量の度合いにもよりますので一概に「この強さで持て」とは言えないんですが、目安としては
『スティックが良く響くくらい優しく』
握ってください。
これは簡単に調べることが出来ます。
スティックをそれぞれの手で1本ずつ持ち、2本のスティックを拍子木のように打ち鳴らします。
ギューッと握って鳴らしてみてください。コッコッと詰まったような音しか鳴りませんね。
今度はユルユルに持って打ち鳴らしてみてください。カンカン(コンコン)と木が良く響くのが分かると思います。
この木がとてもよく響く状態でスティックを握るのが理想です。
「えっ?こんなに緩く持ったらスティックをコントロール出来ないんですけど・・・」
確かに初心者の人がいきなりそんな緩いグリップでスティックを持ったらポロポロと落としてしまうでしょう。だから最初は「出来る範囲で」最大限緩く持てばいいです。上達するにつれて無駄な力はどんどん抜けてきますから安心してください。
ある程度緩く持つことが出来るようになったら、今度は意図的にスティックを握る強さを変化させて、その時にサウンドがどう変化するかを自分の耳で確かめてみてください。硬い音、柔らかい音、広がりのある音、締まった音など、音色の変化が生まれることが分かると思います。
一流のドラマー達は様々な叩き方で音楽に表情を付けますが、このようにグリップの強さを変えて音色の変化を付けたりもしています。
奥が深い世界ですが、それを自在にコントロールできるようになったら音楽表現の幅が一気に広がりますね。
私もまだまだ修行中ですが、みなさんも是非グリップの強さにこれまで以上にこだわって練習をしてみてください。