良いドラマーになるためのブログ

【プロドラマー・ドラム講師たいこもちのブログ ドラムネタは意外と少ないかも】

taikomochi流 ドラム譜の書き方(補足)

taikomochi流 ドラム譜の書き方1」(およびそのシリーズ)で譜面を書く際のルール、注意事項、アイデアなどをざっくりと説明しました。

 

今回は譜面を仕上げるプロセスについてご説明します。

※曲を耳コピする際のプロセスです


■仕上げるまでのプロセス

1.アタマから順序通りに仕上げる

曲を聴きながら各セクションを完成させたら次のセクション、それを完成させたらまた次のセクション、という風に曲のアタマから順序通りに譜面を書いていき完成させます。

 

全体の構成も知らずにいきなり譜面を書き始めるので後になって「あ~、もっと効率よく書けたのに~」と後悔することもありますが(笑)、手っ取り早く譜面書きを終わらせるためにやり方は今もよくやります。


2.まず全体の構成を仕上げる

一度曲をザーッと聞いて全体の構成を大体把握してから細部を埋めて行くやり方です。最初に「ここはリピート、ここはダルセーニョが使える」といった方針を決めてから書くので、譜面を効率良く使うことが出来ます。

 

ただ長い曲の場合は最初に一度通して聞くだけでも大変なので、このやり方はあまりやりません。


■コピーはヘッドホン(イヤホン)で

コピーする際はドラムの細部まで聴きとらなければなりませんのでヘッドホンやイヤホンで曲を聴くことをオススメします。スピーカーだとよほど良い環境でないとスネアのゴーストノートなどを聴きもらすおそれがあります。

 

またヘッドホン(イヤホン)をすることでドラムセットのPANの振り具合なども分かり、コピーがやりやすくなります。

※PANとは何か:ググってみてください


DAWソフトの活用

完コピする時は曲の同じところを何度も何度も繰り返し聴いたりします。その際にいちいち手作業で元の場所に戻す作業をやっていたら時間がどれだけあっても足りません。

 

ですので私はそういう場合はDAWソフト(※)に曲データを取り込んで一定の範囲を繰り返し再生するという設定をして自動で繰り返し再生させながら音を拾います。

 

また複雑なキメなどはテンポを割り出してそこから実際の符割りを類推することもあります。

 

DAWソフトは数多くリリースされており、また廉価な製品もあるので是非一つくらいは持っていてください。

※Logic Proを愛用しています

スマホアプリで繰り返し再生できるものがありますのでそれらを活用してもいいでしょう。


■仕上げるまでの時間

私は1曲あたり15分~30分です。5分の曲なら大体3回聞いたくらいでほぼOKの譜面に仕上げます。曲が長かったり複雑だったりすると30分くらいかかることもあります。逆に「過去に聞いたことがある」「構成がシンプル」などの場合は10分程度で終わる時もあります。

 

これは早さ自慢でもなんでもなくて、これくらいのペースで書けないと仕事としてこなしていくのがキツいから「自然と書くのが早くなった」のです。

 

私が以前いたアニソンの現場では二日間で60曲演奏する、ということがザラでした。もし譜面が無くて自分で全て用意する場合は60曲分の譜面を書くことになります。1曲に1時間もかけていたらとんでもないことになってしまいますから「きれいに」かつ「スピーディーに」譜面が書けるスキルが自然と身に付きました。

 

我々の本業はあくまでドラムを叩く事であり、譜面書き作業にはギャラは出ません。ですから出来る限り早く終わらせないと一日、二日がタダ働きのために使われてしまうのです。


本来は譜面は事前に用意されているべきものなのですが必ずしもそういう現場ばかりではありません。予算の関係、スケジュールの関係で譜面が用意出来ないとか、簡単なマスターリズム譜しかないこともあるし、各自がデモ音源を聞いて自前で用意しなければならない現場もあります。

 

「譜面がないならやらねーよ」と言える立場の人はいいんですが、私はそういう地位にないので(笑)、譜面が無くてもすぐに自分で書いて対応できるように自分のスキルを磨きました。

 

書けて損することは無いしね。

 

譜面はたくさん書けばそれだけ書くスピードもあがります。
頑張っていろいろな曲の譜面を書いてみてください。