アキバでレッスン1
昨日は秋葉原でドラムの個人レッスン。
一人目のM君はロック系のドラマー。ツインペダルは持っているけれど使っていないとのこと。「せっかくだから」と急きょツインペダルのレッスンを。
まずは何も考えずに自由にツインペダルで演奏してもらいます。本人が「テンポ110の壁」と言っていたように、そのあたりのテンポでは確かに 踏み方がぎこちないし、クリックとも合いません。
症状の原因を探るため、普通の8ビートをプレイしてもらいます。ここで踏み方に問題が見つかればまずはそこから改善していくことになりますが、M君のバスドラムの踏み方は問題なし。むしろ良い踏み方です。
となればツインペダルで演奏する際に発生する特有の問題。
普段の演奏は問題ないのにツインペダルになると途端に演奏がぎこちなくなる人がいます。これはほとんどの場合体の重心の問題です。
普段あまり左足でフットハイハットを踏むプレイをしない人はプレイ中に左足に体重を(無意識のうちに)かけて体を安定させるクセが付いています。
そういう人がツインペダルを使うと体を支える役割を左足が出来なくなって体が不安定になってしまうため、いきなりプレイがぎこちなくなります。
その結果無理やりバランスを取ろうとして体を後傾させ、イス(お尻)にほぼ全ての体重をかけるので、フットペダルにまったく体重が乗らないフワフワした不安定なプレイになります。
M君の場合は右足の踏み方自体はとても良かったため、ツインペダルで演奏する 時も通常の踏み方をキープ出来るように体の位置や足のフォームを意識してとてもゆっくりのテンポで演奏してもらいました。
テンポが遅いこともありましたが非常に良いフォームで安定して両足連打が踏めるようになりました。
速いテンポはまだまだですが第一関門はクリア出来たので、あとはこのまま丁寧に練習を積み重ねて行けばテンポ150くらいまでは確実に踏めるようになります。
講師は生徒の問題点を見つけることも大事ですが、その生徒に合わせた適切な練習方法を提示してあげることはもっと大事です。
粘り強い生徒もいれば、飽きっぽい生徒もいます。ある練習メニューで成果が出る場合もありますし、まったく結果が出ないこともあります。
その辺りを見極めて、個別に最適な練習メニューを与えるというのは非常に難しいことです。ですがそれが見事にハマッて生徒がみるみるうちに上達したりするのを見ると、教えててよかったなと思いますね。講師冥利に尽きる瞬間です。
ツインペダル(ツーバス)に対して「あれは難しそうだから」とか「まずはワンバスがちゃんと踏めるようになってから」と言って距離を置く人がいますが、非常にもったいない。
ツインペダルLOVEの私からするとツインペダルが無い状態の方が信じられないくらいで、フレーズに幅は出るし、ワンバスでは出来ないプレイが楽々出来てしまうので使わない手はないです。
日頃からツインペダルで演奏することに慣れてしまえば体のバランスのとり方も自然に覚えますし、バランスが取れるようになればフットハイハットを多用するようなプレイにもすぐに応用出来ます。
良いことづくめなので興味がある方は是非ツインペダルにチャレンジしてみてください。