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【勝手に文字起こし】レターポットの仕組みを西野が動画で説明してみた(2) 〜『レターポットの誕生』編〜

今話題のレターポットについて発案者であるキングコング西野亮廣本人が動画で解説をしてくれました。

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ただ動画がそこそこ長い(トータル50分弱)ので「全部見てらんねーよ」という人もいるかと思います。でもね、でもね。この解説をスルーするのは非常にもったいない。

そこで!

文字ならば自分のペースでサクサク読めると思い勝手に文字起こししました。(実際動画の数分の一の時間で読めます)文字起こしは動画全てではなくレターポットの解説の部分に絞らせてもらいました。

 

(1)「紙幣の成り立ち」編からつづく) 

〜『レターポットの誕生』編〜

で、ここから話大きく変わってレターポットのサービスの話に入っていいですか。

 

「レターポットっていったいなんなんだ」っていうことで、説明するとですね、ちょっと長くなるんだけれど、、、

 

ん〜、僕がまず、去年の夏かなぁ。
下北沢で飲んでたら、奈良からちょっとこう

西野さんにサービス提案したいんです

っていう女の子がわざわざ僕が飲んでる酒場まで来たんですよ。

 

で、

ちょっと一分だけ時間ください

っていうことで、

ああ、全然いいよ

奈良から来たって、新幹線に乗って来たって言うから、それはすごい意気込みだなあと思って

じゃあお前飲む?

つって、一緒に飲んでて、

で、なんなのお前のやりたいことって?

って聞いたら、え〜っと

私はいらないものをいらないって言える世界を作りたいんです

っていう話を、、、してきたんですね。

 

で、それって僕、超わかって、、、
まぁ、僕ブログでもう一年目のときからず〜っと言ってるから、まぁだからそれを知ってて彼女も僕にそれを言ってくれたと思うんだけど。

 

え〜っと、、、
「いらないものをいらないって言える世界を作りたい」っていうのはすごく大事な感覚で、それはなにかっていうと、例えば僕なんかこんな仕事をしていると差し入れをいただくんですよ。

 

差し入れです。

 

で、関係者の方からの差し入れってすごくありがたいんですね。でも一般の方からの差し入れ、例えば生ものとかを、いただいちゃうとですね、、、

 

食べきれない場合があるんですよ。食べきれない場合がある。
で、それをスタッフさんにおすそ分けしても、スタッフさんも食べきれない場合があるんですね。量的にです。

 

じゃ、そういったものってどうなるかっていうと、ゴミ箱に捨てられるんですよ。
食べ物がゴミ箱に捨てられるんですね。

 

これ、誰も捨てたくないですよ、捨てた人も捨てたくないんですよ。

 

だけれど生ものだから傷んじゃうから、それを演者さんだとかスタッフさんに食べさせたら、お腹こわしちゃって体調こわしちゃうからそれは具合が悪いってことで、食べ物が捨てられるんですよ。必要以上にいただいた食べ物っていうのは。実は劇場のゴミ箱って結構食べ物が捨ててあるんですね。

 

で、僕は食べ物を粗末には絶対したくないので、えっと、だからなんだろ、こう、差し入れを受け入れた瞬間に、「受け入れる」って言った瞬間に、この未来が来るのってもう見えてるじゃないですか。

 

食べ物を捨てなきゃいけない未来が来るのって見えてるから、だから一年目の時から、差し入れを断ってたんですよ。「いらないです」って僕、結構勇気いったんですけど、一年目でそれ言うのって。

 

でも、僕「差し入れいらないです」っていうのを言うとどうなるかっていう、、、どうなったかっていうと、

差し入れは気持ちなんだから受け取れよ
差し入れを受け取るのもファンサービスのうちだろ

みたいな感じで、差し入れを断ったことが怒られてしまったの。

 

で、僕はね、こんな性格だから

うるせーよ!

って言えるんですよ。

関係ねーよ!
お前バカかよ!

って結構全部返すんですね。

 

だけど、、、
これ言えない人がほとんどだなと思って。

僕結構ブログで「差し入れいらねー」って言って、なんかそれに対して説教たれてくる作家とかいたら、もうボロカス言ってたんですけど、、、

 

なんかあんま賛同者がいなかったから、「意外とみんなそんなこと思ってないんだな」って思ったら、とんでもなくってみんなやっぱり「いらないものをいらない」って言ったら怒られるから言えずに渋々受け取ってるってことが、結構あるんだなってことが彼女の言い分を聞いて「なるほどな。あ、一般の方もやっぱり、あの差し入れだとかプレゼントとかに困らされてることってあるんだ」と思って。

 

で、これって結構大変な問題で、えっと、、、
例えば、僕阪神淡路大震災の被災者なんですけど、


僕たちを一番苦しめたのは、一番っていうか苦しめたのはなにかっていうと、一番じゃないかも知れないけど、結構僕たちが苦しめられたのは何かっていうとね、、、

 

僕はあの〜、僕んちは大丈夫だったからボランティアでこう、いろんなところに行ってたんだけど週末とか、じゃあ、、、

 

ほら、冬だったから豚汁作ったりだとか毛布かけてあげたりとかしたかったんですけど、僕たちの時間と腕は何に奪われたかっていうと、全国から送られてくる千羽鶴の撤去に奪われた。

 

これをどけないことには、豚汁だとか毛布だとか、こういったものの流通経路が確保できないから、とにかく千羽鶴をどけなきゃいけなかったんです。で、千羽鶴を処分しなきゃいけなかったんです。

 

で、この処分にかかるコスト、被災者持ちです。

 

で、僕たちはその、、、

千羽鶴いらねえ 

って言うと、どうなったかっていうと

千羽鶴はうちの学校の生徒があなた方のことを思って折ったのにいらないとはなにごとだ 

っていう、千羽鶴を送った側の言い分でもって被災者が叩かれてしまうっていう問題になってる。

 

これってどこでも起こってる問題で、東日本大震災のときとか、熊本のときとかも被災者の人は「いらない」って言ってるんですよ。

 

(コメントを読んで)
え?被災者持ち?
そりゃ被災者持ちじゃないですか?
被災者が、、、
ああ被災者持ちっていうのはあれで、今コメントを読んだんですけど、

 

被災者の人がこれやらないと、被災地の人がこれやらないと、どけないと。
だって千羽鶴をどっか撤去してくれるの、、、業者って被災地の人しかいないから。

 

で、これって東日本大震災のときも熊本地震のときも、おんなじ問題が起こっていて、千羽鶴が大量に届いて、で、被災者の人が

千羽鶴いらねー

って言ったら、すごく叩かれてしまうっていう。

被災者が叩かれる。

 

で、送った側はやっぱり

お前たちのことを思ってやってるのに、いらないとはなにごとだ
なにをわがまま言っているんだ

いや、これはわがままじゃなくて悲鳴だよ。
「助けてくれ」って言ってるんですよ。

 

でもやっぱり、いらないものを「いらない」って言うと、叩かれてしまうっていうよくわかんないことになってる。

 

で、

 

そもそも、なんで贈り物でもって人が苦しめられてるんだろうってことをすごく考えて、これは何、、、誰が悪いんだろう、諸悪の根源はいったいどこなんだ、誰なんだってことをすごく考えたんですけど、、、

 

結局、悪い人はいないんですよ。

 

悪い人って本当にいなくて、じゃ誰が悪いかっていうと、悪い人なんてひとりもいなくて、僕たちいま時代のはざまに立ち会ってる。

 

これどういうことかっていうと、、、

 

物が不足していた時代はね、物が不足していた時代は贈り物が相手の幸せに直結したんだけど、今は物であふれていると。

 

で、僕たちはなるべく持ち物をコンパクトにして「好きな物を好きな分だけ手に取りたい」っていうそういう時代だから、、、

 

なるべく(音声乱れ)

 

で、なるべくもう持ち物をコンパクトにして手を空けておきたいのに送られてしまうと、好きなときに好きな物を取れないっていう。

 

で、ここがバッティングしてんだな、と。

 

物が不足していた時代と物であふれている時代の常識がバッティングしてしまってる。
ぶつかっちゃってるっていう。変なとこで。

 

で、合ってないんですよね。

 

これって結構ほら、一人暮らしとか始めたからとかって、お母さんとかが田舎からすごくダンボールに入れて送ってくると思うんですよ、食べ物とかいろいろ。

 

その人はもう

いらない。
母ちゃん、いらないよ!

つって食べ物って腐ってしまうし、

私も朝も早いし夜結構飲んで帰ることもあるから、食べれないんだよ。朝ごはんとか食べれないんだよ。食べたら苦しいんだよ。 

って言っても、かまわず母ちゃんって結構食べ物とか送ってくるんですよ。

 

日持ちするからとかそういう理由で。「これ大丈夫、日持ちするから」みたいな。

 

結局その食べ物は腐っていっちゃうんですけど、腐っていくことはこっちは知っているから「母ちゃん止めて」って言っても母ちゃんは止めないですよ。

 

なぜなら母ちゃんは物が不足していた時代のDNAを受け継いでいるから。

 

これ、無理なんです。どんだけ喋っても。

 

で、これを解決したいっていうことで奈良から来たその女の子が、「私こういうものを作りたい」って言ったんですけど、「なんなの?お前の作りたい、、、」(不明)

で、踏まえた上で

お前の作りたい、そのサービスってなんなの?

って聞いたら

誕生日とかクリスマスだとかそういった記念日に商品券のようなものを贈るアプリを作りたい

って言い出したのね。

 

で、「商品券のようなもののアプリを作りたい」って、言ったんだけれど、、、
あんまり面白くないと思ったんです。あんまり面白くないどころか、そんなものすでにあると思ったんですよ。

 

そんなものすでにあると思って、、、あるし、、、
もう一万個くらいあるなと思って。

 

で、面白くないと思った理由の一番はなんなのかっていうと「商品券のようなものを贈る」って、つまりお金じゃないですか。「お金を贈れたらいい」って言ったんですね。

 

ま、「お金を贈れたらいい」とは言っていないですけど、まぁ本質はそうですよね。お金を贈ったら全員助かるじゃないですか、っていう。

 

だってお金を贈られたら、、、必要なときは使うし、必要じゃないときは銀行に入れておくことができるからっていうことで。「お金を贈りたいんです」って言ったんだけど、、、

 

でもね、プレゼントの本質ってそこに費やされた時間じゃないですか。

 

つまり

あの人何が似合うかなとか
あの人にこれをプレゼントしようかな

って考えている時間だとか、買いに行った時間だとか、時間にすごく価値がある。

 

お金を贈ったら確かに便利なんだけど、お金を贈られたら確かに便利なんだけど、そこに時間が費やされてないからちょっと寂しいっていう。

 

そういう問題が起こってくる。お金をもらうと便利なんだけれど、時間がかかってないから寂しいっていう。

 

で、この問題を解決しようと思ったら、もう方法は一つしかなくて贈るお金に時間がかかってることが可視化されれば、受け取る側は受け取りやすいよねっていう。

 

つまり僕があなたの誕生日に一万円をプレゼントして、この一万円にすげー時間がかかってるってことが見えれば、あなたは僕の一万円札を受け取りやすい。

 

で、あと方法は一つしかないんですよ。
どうやったら贈るお金に時間をかけるか。

 

逆なんです、その、、、

 

世にある送金サービスと真逆で、、、
送金アプリとかってあるじゃないですか。
個人間の送金アプリ。

 

あれはなるべく手軽に送金しようっていう方じゃないですか。

 

まったく逆で、贈るお金に面倒を足すっていう。
ちょっと面倒にさすってことですね。

 

で、どうしたら贈るお金に時間がかかってることが可視化されるかなって考えた時に、もう方法は一つしかなくて、、、

 

それが文字ですね。
文章、手紙ですね。

 

ルールをすごく簡単に言うと、これもうレターポットの話になってくるんだけど、こっから、、、サービスの話になってくるんだけど、、、

 

「レターポットの仕組み」編につづく)

 

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